アンは陸海軍ストアの陶磁器の売場で、 ひとしきり楽しい時を過ごしていた。 (中略) きらきらと輝くばかりに美しい食器類を 眺めていると、それだけで楽しかった。 (中略) どうやら今日はついているらしい、とアンは思った。 ほとんど完全な朝食用セットが見つかったのだ。 (中略) 値段も法外というのではなかった。 すぐ買う事にして良かった。 というのは売子が彼女の住所を書き取っている所へ 1人の婦人がつかつかとやって来て、 いきなり興奮した声で叫んだのだった。 「それ、あたしが頂きますわ」 【A・クリスティー作 「娘は娘」】 |
嬉しい秋晴れが続きます。
ただ昨日もそうですが、
気温は、この時期にしては少々高め。
秋の雨は、「1雨1度」 と言って、
1雨ごとに1度下がるそうですが、
一昨日の雨は関係なかったようです。
そう言えば、次の雨位から一気に
下がるなんて言っていましたね。
そして今年も又、植えた覚えのない
こんな花が開花しました。
毎年この時期、律儀に。
さて、今日の写真。
前々回の連休の時に某百貨店で
開催されていた英国展で
求めたものです。
その模様は、今日の引用文しかり。
「それ、あたしが
頂きますわ」
これって、本当に良くありますね。
上記の場合は、本当に欲しくて
買い求め、めでたし、めでたし・・ですが、「これ、頂きますわ」
と言われて、そんなに欲しくなかったものまで求め、後悔した事も。
こちらは、ご覧の通り、レースのベルトに銀のペンダント、
銀メッキのおつまみ用ピックのセットです。
ところで、レースのベルト。
レース類は、アイデアだけ頂いて、
“見てるだけ~” にしようと思っていましたのに、つい・・。
その、つい買い求めてしまった、レースのベルト。
もし、何日か前にこれと同じような幅広のゴム製ベルトを処分さえしていなければ・・。
それこそ自分でエジングレースを編み、取り付けましたのに。
でも、後の祭り。仕方ありません。
それにしても、イギリスのレースの多彩な事。
それはそうですね、19世紀半ばから20世紀初めにかけて、
それこそ、A・クリスティーにも頻繁に登場の 「ヴィクトリア朝時代」、
それに続く 「エドワード朝時代」 は、イギリスのレース全盛期でしたものね。
映画などでは再三見掛けたものですが、
その当時の女性たちは、サテンやタフタのドレスを着て、
首元にはレースの襟飾りを付け、肘までの長い手袋。
ドレスの下には何枚ものレースのペチコートが重ねられ、
それは歩く度に優雅な衣擦(きぬず)れの音を奏でたと言います。
洗礼服に始まり、ワンピースの飾り襟に胸ときめかせ、
レースのハンカチに滲ませた愛と哀しみ。
アンの時代もそうですが、
レースと共に女の一生があったと言っても過言ではありません。
そうそう、昨日も登場のテーブルの上の物。
実は厚紙(ビニールコーティング・一見革風)の BOX です。屑かごにも。
今日は、ドライフラワーを入れています。