【香りの王様 「 ジャスミン」】
【リラ版 「ピンクの少公女」】
「・・・何だってお前は まつむし草 なんか、 欲しがるのかい、ジェーン? 嫌な名前じゃないか ―― 毛虫のような感じがしてさ」 「あら、花はきれいよ、父さん。 それにもっといい名前が いくらでも付いているのよ ―― 『美女のクッション』 だの 『朝の花嫁』 だのってね ―― パンジー がきれいじゃない? 去年の8月、種子を蒔いて置いて良かったわ」 「お前こそパンジーのようだよ、ジェーン ―― あの金色の目をした赤褐色のにそっくりだ」 ジェーンは誰かが自分を花に例えてくれる事が あるかしらと考えた事を思い出した。 【「丘の家のジェーン」 33.】 |
晴天が続きます。
引き続き気温は高め。
ただ今日は天候が不安定とか。
今の所、その気配はありません
から案外、“所によって・・”
という事かも知れません。
さて、冒頭の写真。
一足先に薔薇が開花しましたが、
香りでは双璧の
「ジャスミン」 が開花。
(今日は薔薇の中では1番遅く、
リラ版 「ピンクの少公女」 が
開花しましたけれど)
このジャスミン、“香りの女王”
の薔薇に対して “香りの王様”
と呼ばれていますね。
「薔薇」 と 「ジャスミン」。
この2つは香水でもお馴染みですね。
ただ、700キロのジャスミンから
採れる香料はたった1キロとか。
薔薇もそうですが、ジャスミンも高級香料だという事に納得です。
そうそう、こちらのジャスミン、これまで 「羽衣ジャスミン」 と
呼んで来ましたが、この名こそ別名なのだそうですね。
他には 「蔓(つる)ジャスミン」 とも。
一方、「マダガスカル・ジャスミン」 や 「カロライナ・ジャスミン」。
ジャスミンと言えば、こちらの方と思っている方も意外に多いかと思います。
ジャスミンに似た甘い香りがある所から名付けられた園芸名で、
全くの別種だと言いますから驚きます。
私も少なくとも同じ仲間くらいには思っていましたから。
おまけに中国茶の 「ジャスミンティー」 は、
「茉莉香(マツリカ)」。色々とややこしいですね。
ジャスミンの白いエレガントな花姿は、
聖母マリアを連想させる美しさと言われ、純粋と貞節のシンボル。
しかしながら、同時に官能を刺激する香りも含有。
姿と香りが相反するコントラストを見せるのも
神秘的な花・・と言われる所以(ゆえん)ですね。