小泉 知樹さんの著書。
裁判員裁判の本を図書館で探してゐるときに、「司法」の棚でこの本を見つけた。
そのときは、小説かと思ひ借りた。
しかし、「はじめに」の一行目で絶句。
「私は刑務所のなかで、この本を書こうと決意した。」
え?
次に読み進むと、
「ひとつは、日本の警察や検察、裁判所には私を含めてごく普通の人間が想像している世界とはまったく違う不条理がまかり通っている現実を多くの人に知ってもらうために。」
さらに読み進むと、
「痴漢という言葉を聞いてどう感じるだろうか?
私は、絶対に許されない、憎むべき卑劣な犯罪行為だと思っている。
だが、まさか自分がその痴漢の犯人にしたてあげられるなんて・・・・・。」
・・・・・・ 絶句
痴漢の冤罪の被害者の「体験本」であつた・・・・・
痴漢の被害を訴えたのは、15歳の高校一年生。通学途中に何度か同ぢ犯人の痴漢に遭い、
けふこそ捕まえてやらうと、犯人の手をつかんで「痴漢です」と言つた。
この高校生の言葉をそのままに、警察は小泉さんを勾留するのである・・・・
警察・検察だけでなく、裁判所の裁判長の対応も絶句
最初から「有罪であらう」の前提で裁判をしてゐるやうな対応は、裁判員裁判入門書に
書かれてゐる「してはいけないこと」(憲法違反)である。
こんなことを、プロの法曹がやつてゐるのか (だからこそ、冤罪があるのだらうが)
直前に読んだ本は、裁判員裁判の導入が不備がありすぎると記述されてゐたが
この体験を読むと、「プロの法曹に不備がありすぎる」と思ふ。
プロの法曹だけの対応が問題ではなく
勿論、一番悪いのは「痴漢です」と痴漢被害と言ふうそをついた女だが・・・・