今野 敏氏の作品。
お台場の警察署の捜査一課安積を筆頭とする捜査員たちの物語シリイズ。
今野氏の作品は、先に3点ほど読みストオリイのみならづ、描かれる人間が面白いがこのシリイズもしかり。
お台場の警察署が新築され、旧署から引越しをする。署の新築は単なる旧署からの移動だけでなく、編成も変更され課が新設されたりで、今までゐなかつた顔が一緒になる。
その中で相楽といふ人間が新設された捜査二課の係長としてやつてくる。相楽は安積に何かと対抗意識を燃やし、「手柄を先に」立てることを考える言動をのぞかせ安積はいい気がしない。
そこへ、東京ビツクサイトで開かれるコミュニティに爆破予告がインターネツト上に書かれる事件が起きる。いたづらなのか、本気なのか。
相楽と安積のチイムは見解が分かれ、相楽は自分の信じるやり方を進める。安積の部下、須田はインターネツトやパソコンを普段から愛用し、爆破予告の書き込みなど独自の考えを持つてゐた。安積は須田の意見を参考にしつつ、捜査を進めるが相楽のやり方に対し危惧を感ぢる。相楽に忠告するが、相楽の反応は・・・・・・
「相楽みたいな人、ゐるな・・・」と思ひつつ読んだ。対抗意識を燃やすのが強い人ほど、そちらに気を取られて肝心の仕事の要点を外してゐる傾向がある。それに気付かないで進めるから始末が悪い。
しかし、「面白い」と思はせる小説は「人物」が面白く展開していくな・・・と今野氏の小説でも思つた。