読書おぶろぐ

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芝居の媚薬

2011年04月23日 21時33分16秒 | 人物伝、評伝 (自伝含)

三島 由紀夫氏の著書。

著書といふよりも三島氏自身の日記や、当時手がけてゐた劇の台本に関する自己解説(批評)、観劇した歌舞伎や映画の感想をまとめたもの。

三島氏の視点が面白い。

自分も歌舞伎を観るので、知つた演目が出てきたのはよかつたが、演じられた役者さんたちがことごとく違ひ(無理も無いが)、いろいろ思ひを馳せながら読んだ。

「憂国」

この解説があつたのは興味深かつた・・・・・・

三島氏の作品は世界中で翻訳されてゐるが、戯曲も世界中で公演されてゐるといふやうす(契約書にサインしたといふ日記の著述)があり、改めて三島氏の作品の凄さを感ぢた。

巻末に三島氏の略年譜がある。終戦半年前に召集されるも、軍医の誤診で帰宅させられそしてあの活躍をする・・・だが、あの最期・・・・・・といふところで何か物凄い「意図」を感ぢた。

三島氏は夏目氏と競ふ、あたくしのお気に入りの作家である・・・ かういふ「人間臭さ」を味はふのはまた面白い

三島氏の作品を読み直したくなる・・・