2018.9.9(日)
最近行った防府阿弥陀寺
週末になると天気が崩れる。釣行もままならず、晴釣雨読の日々である。
最近読んだ本。記載するのは今回で14回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。
『海のルアー釣り』 宮本善亘著 つり人社 評価☆☆☆☆ ’18年7月4日読了
寸評:ルアー釣りを本格的に始めようと思いながらついつい引き延ばしてきた。初めてのルアー釣りは、アオリイカのエギングだったが、その後メバルを少し、コウイカを少しやった程度だ。ルアー釣りは生餌が要らないので、何時でも何処でも手軽に出来るのが良い。本書では、海のルアーの対象魚を魚種毎にその生態から釣行適期、攻略法まで詳しく紹介している。夥しいルアーの種類も使い方を説明、またキャスティングの仕方も具体的である。後は実践のみだが・・・。当面、座右の書である。
『世界遺産・秘められた英雄伝説』 平川陽一著 PHP文庫 評価☆☆☆ ’18年7月9日読了
寸評:世界遺産の中で英雄や歴史的に重要な人物に関わりのあるものを取り上げている。ポルトガル・エンリケ航海王子、ヴァスゴダ・ガマ、ナポレオン1世、アレクサンドロス大王、ダレイオス1世、ウイリアム1世、エジプト・ラメセス2世、ローマ・カエサル、カルタゴ・ハンニバル、オーストリア・ハプスブルグ家、ルイ14世、16世等々世界史でも学んだ英雄や偉人たちの物語を紹介している。英雄に纏わる伝説から、改めて世界遺産の面白さが堪能できる。
『真田を云いて、毛利を云わず』上下 仁木英之著 講談社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’18年7月19日読了
寸評:豊臣秀吉最古参の家臣毛利(森)吉成・太郎兵衛勝永親子を中心に描く。毛利と言っても長州の毛利とは直接の関係は無い。秀吉の側近中の側近である黄母衣衆である吉成が、九州平定後、親子共々大名に取り立てられ、小倉にて九州全体の目付となる。秀吉は天下統一後、2度に渡る朝鮮出兵を行い、秀頼を溺愛し甥の秀次一族を処刑、そして秀吉も死ぬ。秀吉の秀頼への遺言で、豊臣家中で最も信頼できる家臣は5大老でも5奉行でも無く、吉成、勝永父子だと告げる。石田三成の薫陶を受けた勝永は豊臣政権の次代を担う器と目されたが、そこに徳川家康が立ちはだかる。関ケ原の戦いを経て勝永は土佐山内家預かりとなるが、出奔し、大坂冬の陣では大阪方の総大将を務め、秀頼を介錯し落城までを描く。毛利勝永を主人公として描く歴史小説は非常に少ないので興味深い。
『戦国武将・闇に消されたミステリー』 三浦竜著 PHP文庫 評価☆☆☆☆ ’18年7月24日読了
寸評:戦国時代の「なぜ?」や異説を取り上げたもの。本能寺の変の謎、関ケ原の戦いの謎、川中島の合戦の謎、下克上の時代の謎、織田信長の時代の謎、豊臣秀吉の時代の謎、徳川家康の時代の謎の7章からなる。歴史に”もしも”は無いとされるが、”なぜ?”と聞きたくなる歴史的事実は結構あるものだ。特に信長が生きていたら日本の歴史は大きく変わっていたかも知れない。そんな信長や幸村、秀頼、又兵衛など多くの有力武将たちには生存説も多い。逆に、家康などは大坂夏の陣等での死亡説も有力である。後は用が終わるまで影武者が務めたというものである。確たる根拠もあり面白い。
最近行った防府護国寺
『吾輩は猫である』 夏目漱石著 新潮文庫 評価☆☆☆ ’18年8月10日読了
寸評:夏真っ盛りなので夏目漱石に挑戦した。著者名、著書名ともに超有名であるが、実際に手に取って読んだ事は無い。正岡子規に捧げられた著書だと言われ、18世紀イギリスの作家ローレンス・スターンの小説の模倣だともいわれる。
明治期の著書なので現代仮名遣いしてあるが、やたら古の西洋文学の著者名や主人公等の名前、哲学、史記、易経、浄瑠璃、謡曲、漢学などからの引用が盛り沢山で読み切るのに時間を要した。今日、こんな文章を書ける人は居ないだろう。笑えたのは希臘(ギリシャ)のイスキラスと云う作家の話のみである。言い回しにしろ、当時の時代背景や生活習慣にしろ、流行りにしろ、現代とはミスマッチしており難しい文章である。所謂、大衆文学であり近年で言うところのエンターテイメントであり滑稽文であるが、相当にしゃれっ気のある文章で今日の我々には難しい。当時としては知的でハイカラな読み物だったかも知れないが、当時の読者でもかなり知的で教養のある人でないと読めなかったのではないか。現在で三島由紀夫、大江健三郎、野坂昭如が難しく感じるのと同じか。50Pくらいから文体に慣れてきた。
物語は、名無しの猫の主人公苦沙弥(くしゃみ)先生の書斎を中心とし、その友人である自称美学者の迷亭、哲人独仙、物理学者の寒月、苦沙弥の書生をしていた三平など努力家の秀才の集まりを主要人物として、知的で軽快なる持論の応酬が展開される。その一群に対立する俗世的人物の金田一家、近所の魚屋、車屋、中学の生徒たち、泥棒などが絡まって進行する。元々、独立した短篇から長編化したので、長編小説としては読み辛い。漱石は世間を笑っているようでありながら、実は世間を痛烈に批判している。当時、大衆受けしたのも理解できる。
『逃げる力』 百田尚樹著 PHP新書 評価☆☆☆☆ ’18年8月15日読了
寸評:猫の後なので非常に読み易かった。逃げることは戦うことと同じくらい積極的行動だと言う。会社などで、責任感を発揮して踏み止まるか我が身を守るべきかの判断は難しい。ここで戦うか逃げるかを決断しなければならない。ブラック企業、パワハラ然り。判断や決断は精神面も考慮してお金に換算して考える。逃げたとしても大したことはないと気付く。大切なのは一度立ち止まって考えること。他人から見れば贅沢な悩みと映ることも多い。但し、いじめ、DVに対しては論外、直ぐに撤退すべきである。戦わなければ家族や自分を守れない時は絶対に逃げてはならない。そこで逃げれば本当の卑怯者であり臆病者になる。
失うことを恐れなければ怖いものは無い。命まで取られることはまず無い。会社が倒産して職を失った多くの人は精神的に強くなった人が多い。余命告知された人、自己破産した人、大きな災害に見舞われた人などでもバイタリティーに溢れて毎日をエンジョイしている人も多い。そのことを思うとそんなこと悩みになるの?ってものも多い。現実は、自分が描いている理想の自分と現実の自分は大きく乖離していることを自覚できず自爆している。夢や目標は適度に持つことが重要である。
また中国、韓国、北朝鮮の国に対して抗議する力を持つことが重要だと括る。
『坊ちゃん』 夏目漱石著 文春文庫 評価☆☆☆☆ ’18年8月17日読了
寸評:「吾輩は猫である」の次だが、本書はストーリーが一貫していて読み易かった。ストーリーは誰もが良く知っている通り、坊ちゃんが中学の数学教師となり四国松山に赴任、そこで生徒との確執もある。また、教頭の赤シャツが気に入らない他の教師を追い出す。一人目は英語のうらなり先生、マドンナの許嫁だが横恋慕してうらなり先生を追い出す。次のターゲットが数学の山嵐先生、巧妙な罠に嵌められ山嵐も辞職する。坊ちゃんはこの山嵐と気が合い、最後には追い出された山嵐と組んで赤シャツとその太鼓持ちの野だ先生をぶん殴って辞職するという展開である。青年教師が社会の不正に対する痛快な反抗精神を描くが、結果的には殴られても赤シャツの思惑通りになったのには不満が残る。
『こころ』 夏目漱石著 文春文庫 評価☆☆☆☆ ’18年8月28日読了
寸評:主人公の「私」と偶然の出会いから親交が始まった「先生」との物語である。幸福に覆いかぶさる黒い影、この幸福が最後に悲しい運命に連れて行く導火線となる。そこには運命の冷罵を感じる。「先生」による自身の妻も知らない過去(恋愛のために親友を裏切り自殺へと追い込んだ罪の意識)を「私」に手紙で告白し命を絶つ。明治の精神(反エゴイズムの精神であるという)に殉ずるということの意味を信じ得て、自己救済の可能性として自殺を選ぶ。心が塞がれる重い内容である。明治天皇の崩御と乃木大将の殉死が背景にあると思われ、作中の「先生」の人情、心情は漱石自身のものであろう。漱石が新時代に生きようとする決意文だと言われる。
夥しい知力と強靭な意思に恵まれ、僅か11年の作家活動で生涯分の仕事を成した。漱石は「生」に怯え自分の存在を恐れていたという。間違いなく近代文学の牽引者である。芥川龍之介や久米正雄、松岡譲、寺田寅彦などはその門弟である。
最近行った周南市須々万飛龍寺
『千年鬼』 西條奈加著 徳間文庫 評価☆☆☆☆☆☆ ’18年8月29日読了
寸評:童話のようだがその裏舞台まで見せる。小鬼たちが鬼の芽を持った人間に、過去見(かこみ=その人の過去を見せること)を見せてその芽を摘んでゆく。鬼の芽は輪廻転生して千年にも及ぶが、小鬼は過去見の術を使っては鬼の芽を摘み続ける。7編の短編で構成され、第6編でその全ての謎が明かされる。この物語は物悲しくもあり感動ものである。著者は天才だと思う。
『大江戸妖怪かわら版①』 香月日輪著 講談社文庫 評価☆☆☆ ’18年8月30日読了
寸評:舞台である魔都「大江戸」、 着物姿で闊歩するものや、賑やかな店が幾つも軒を並べる街並みなど、我々が想像するものと似ている。しかし江戸は江戸でも魔都大江戸であるから、昼は龍が空を飛び、夜空を大蝙蝠が飛び、墨田川には大蛟、飛鳥山には化け狐、大江戸城には巨大な骸骨が棲む妖怪都市である。この大江戸にただ一人の人間「雀」が居る。かわら版屋で雀が見た大江戸を描く。彼が書いた江戸見聞録に何時しか引き込まれていく。シリーズ化されている。
『人物でわかるオモシロ源平合戦』 武光誠著 角川ソフィア文庫 評価☆☆☆☆ ’18年9月4日読了
寸評:元々源氏も平氏も天皇家から出た同族であり仲間だったはずである。天皇家と摂関家の勢力争いを火種に激化していった源平争乱を、保元・平治の乱、一の谷の合戦、壇ノ浦の合戦など代表的な15の合戦を軸に、戦の背景から勝者、敗者のその後までを詳細に解説する。源氏、平氏の系図と睨めっこしながら読み進めた。
【9月9日過去の釣行記録】
・2006年華西防波堤、17:30~19:15、大潮、釣果=2人でメバル15・アジ10・クロ1
・2010年粭島小瀬戸、18:45~20:45、大潮、釣果=アジ2・アオリイカ2
・2013年洲鼻港防波堤、18:30~19:30、中潮、釣果=アオリイカボウズ
・2017年日石前岸壁、05:50~10:00、中潮、釣果=キス6
【この日の釣り情報】
・この日の釣り上はありません
【旧暦7月30日釣行記録】
・2005年1月3日、大島日本精蝋前岸壁、18:00~21:30、大潮、釣果=アジ10
・2005年1月7日、大島大原、21:50~01:30、大潮、釣果=メバル1
・2008年1月7日、徳山築港、07:30~11:30、大潮、釣果=キス29・アジ3・シャコ1
・2015年1月7日、徳山築港、05:50~09:40、大潮、釣果=カレイ1・キス7・ハゼ2
・2015年1月7日、新日鉄波止、06:00~11:00、大潮、釣果=キス5・マダイ1・エソ1
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