世界変動展望

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3÷0 = 0 ?

2010-07-20 00:53:03 | 物理学・数学
以前にある中学生と話をしたときに「3÷0 = 0」と答えた人がいた。なぜ答えが0なのかと尋ねると「小学生の時に割算に0があるときは、答えは0になると習った。」と答えた。

教員や塾の講師はおそらくそういった間違った教え方をしないだろうが、おそらくその中学生の親や上の兄弟がそういう間違った教え方をしたのだと思う。確かに「0÷1」のように割られる数が0の場合は割る数が0以外のどんな数でも答えは0になる。おそらくその性質から「割算に0があるときは、答えは0になる。」と間違って教えたのだろう。正確には「割算で割られる数が0で割る数が0以外の場合は答えは0になる。」だ。

しかし、上記のように考えることなく答えを出すためのルールだけ教えるのは考える力を育てる上では間違っている。学問は答えが出て点数がとれればよいというものではない。きちんと原理を正しく教えないと教育上も害悪となる。上の中学生は「3÷0 = 0」がおかしいと思わず、自力で答えを出すこともできなかったが、答えを出すためだけの暗記に頼ると考える力がまるで育たない。

「3÷0 = 0」がおかしい理由は簡単だ。「では0×0 = 3か?」と問えばよい。無論0×0=0であり、3ではない。3÷0 とは0に掛けて3になる数を答えよということだが、0にどんな数をかけても0であり3にはならないのだから、「そんな数はない。」というのが答えだ。

もっと原始的に考えると、「りんご3個を皿0枚の上に等しく置くようにするには1皿あたり何個りんごを置けばよいか?」ということだ。そもそも皿がないならりんごを置き様がない。従って答えは「求める数はない。」となる。

あるいは次のような考えもできる。3÷0は「全部で3個あるりんごを1袋0個として袋につめると、全部で何袋になるか?」ということだ。1袋に全くりんごが入っていないのだから、何袋集めてもりんごは0個であり、3個にはなりっこない。従って答えは「求める数はない。」となる。

具体的な問題に置き換えなくても『0にどんな数をかけても0であり3にはならないのだから、3÷0は実行できない。』と簡単にわかるだろう。割算とはそもそもどういうものかという基本がきちんとわかっていれば、簡単にわかることだ。

答えを出して点数をとるためだけの暗記にはしるのではなく、きちんと基本をおさえた学習をすべきである