世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

汚名挽回は誤用か?

2014-12-20 02:42:18 | Weblog

小保方晴子がSTAP細胞を再現できなかった事で、早大の女学生にインタビューが行われた。女学生が「汚名挽回」という言葉を述べた。ツイッターでは少し話題になったようだ。その1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 .


FNN 2014.12.20 より


早大女学生が「汚名挽回」と言うのは1分46秒頃、FNN 2014.12.20 より

大辞泉によると

--

ばん‐かい〔‐クワイ〕【×挽回】

[名](スル)失ったものを取り戻して、もとの状態にすること。回復。「勢力を―する」「遅れを―する」「名誉―」


大辞泉より
--

挽回は失ったものを取り戻して、もとの状態にすることだから、汚名挽回はできるが、それは失った汚名を取り戻すということで、もう一度不名誉な事を行うという意味だと思っていた。そのような事は通常行わない。これは誤用だと思っていた。そう指摘する文献がある。FNNでは誤用と判断して字幕を「汚名返上」に修正した。通常は名誉挽回、汚名返上と言う。多少マニアックな話になるが、Zガンダムにもジェリド中尉が「汚名挽回」というシーンがあり、誤用だと言う人がいる。しかし、調べてみると汚名挽回は誤用ではないという説があるようだ。

この説だと挽回は「元の状態に回復すること。」という意味で、上の辞書の例にあるように「遅れを挽回する」という使われ方をする。この意味で使えば汚名挽回は「汚名のない状態に回復する」という意味になる。解釈次第では誤用でない。だから、早大の女学生が間違った使い方をしたというわけではないと思う。

しかし、一般には名誉挽回、汚名返上という言い方をするし、汚名挽回は誤解を招くおそれがあるので使わない方がいいと思う


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
挽回も返上も本来は間違いです。 (英語とか文学とかの専門家)
2014-12-20 12:27:48
厳密に言えば、汚名挽回も汚名返上も間違いなのです。
汚名は返上するものではないからです。
汚名は雪ぐ(そそぐ)ものです。
ところが、汚名につける「雪ぐ」に相当する2字熟語がないのです。
名誉には挽回とか回復とかつけられるのに、汚名には「雪ぐ」の2字熟語がないのでつけられない。
そんなところから挽回や返上をつけるようになったのだと思います(私は国語学者ではないので、これは想像ですが)。
よって、挽回も返上も、厳密にはどちらも間違いだが、慣例としてどちらも使われている、というのが正しいと思います。
挽回はだめで返上はいいというのはNHKの見解にすぎません。上のような論理で、汚名返上は使うべきでないとするには、言語学的根拠が著しく欠けております。
返信する