世界変動展望

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STAP細胞検証結果を受けた報道や世間の疑問に対する私見

2014-12-19 19:13:20 | 社会

STAP細胞の再現ができなかったという検証結果が公表され、大きく報じられている。テレビなどでよく報じられた疑問点について見解を述べる。

(1)小保方晴子が200回以上作製できたというSTAP細胞とは何だったのか?

4月9日の会見で小保方晴子は「STAP細胞はあります。200回以上作製できました。STAP現象は何度も確認されている真実です!」と断言した。200回以上作製できたというSTAP細胞とは何だったのか?


論文発表時に理研が示したSTAP細胞の画像

これは細胞が死にかかった時に見える自家蛍光で、STAP細胞ではない。小保方晴子はこれを指してSTAP細胞を200回以上作製したと述べたと考えられる。前からライブセルイメージングの映像が自家蛍光とみられる事は専門家から指摘されていた。

(2)、(1)に関し小保方晴子は故意に嘘をついたのか?

(1)に関し、小保方晴子が誤信したのか、それとも故意に嘘をついたのかという疑問がある。これは故意に嘘をついたと考えられる。まず、200回以上も自家蛍光と誤信したというのが考え難いが、後に説明するように万能性の証拠を捏造したのだから、小保方晴子がSTAP細胞を作製していなかった事を知らなかったはずがなく、会見での発言は不正の責任から逃れるために故意に嘘をついたと考えられる。一方、妄想にとりつかれていたという考えも半分は正しいかもしれないが、虚偽と知らなかったという事はあり得ない。

(3)キメラマウスなど論文で示された万能性を示す証拠は何だったのか?

STAP細胞の論文ではキメラマウスなど万能性を示す証拠がいくつも示されている。だから、小保方晴子らが何らかの万能細胞を扱ったのは確実。ではその正体は何か?2つの可能性が考えられていた。一つはもともと若いマウスの一部の臓器に極少量ある未分化の細胞が作製過程で紛れ込んでいたという説。いわゆるスクリーニング説。小保方晴子は週刊新潮の取材に対して、含みを持たせた回答をした。しかし、この可能性も検証によって否定された。検証では1615回キメラマウスの作製に挑戦したが、一体もできなかった。もしスクリーニング説が正しければ、キメラマウスができるはずだができなかった。よってスクリーニング説は否定される。

 
論文発表時に理研が示したSTAP細胞由来のキメラマウスの画像

とすると、残っている可能性は既存の万能細胞を混入させた又はすり替えた事しか考えられない。これが6月上旬頃から言われていた最も有力な説遺伝子解析でSTAP幹細胞の正体がES細胞、FI幹細胞の正体がES細胞とTS細胞が9:1で混ざったものだと示されSTAP細胞は8番染色体トリソミーが見られ、生きたマウスから作られたのでないことが濃厚となった。8番染色体トリソミーはES細胞を培養すると生じることが知られている。6月上旬の時点でSTAP細胞の正体がES細胞等の既存の万能細胞である事が示され、研究全体が虚構だと十分判断できた

小保方晴子は「ES細胞と取り違えたのでは?」という週刊新潮の問いに「絶対に、あり得ません。」と強く否定。「捏造だと言われることは明らかに間違っている。」と捏造も強く否定した。遺伝子解析でSTAP幹細胞の正体がES細胞だと判明した後も同様。確かに比較実験をする時にES細胞等が過失で紛れ込んでしまう可能性はゼロではないだろう。しかし、ES細胞とTS細胞を9:1で混ぜる等、既存の細胞をうまく使い分けて都合のいいデータを作るのは、現実的には悪意を持って行わなければ不可能だから、捏造だったと断定できる。論文で示された万能性を示したデータは捏造である。

だから、会見時に小保方晴子はSTAP細胞を作製していなかった事を知っていて、責任を逃れるために「STAP細胞はあります。200回以上作製できました。STAP現象は何度も確認されている真実です!」と故意に嘘をついたと考えられる。検証自体がばかばかしいといえ、小保方晴子の嘘に世間が振り回されたともいえる。小保方晴子が保身のために嘘をつかなければ、笹井芳樹は死なずに済んだ。極めて悪質だと思う。

(4)小保方晴子が述べたSTAP細胞を作るためのコツやレシピとは?

4月の会見で小保方晴子はSTAP細胞を作るためのコツやレシピがあり、それがあればSTAP細胞を作製できると述べた。これは理研の検証結果報告で述べられたように、確認されなかった。(3)で述べたようにSTAP細胞は捏造だから、そんなものは存在しない。小保方晴子が責任から逃れるために故意に嘘をついただけ

(5)理研が小保方晴子の辞職を受理したのはなぜか?

理研は小保方晴子の心身の疲労等を理由に受理したと回答した。その理由も確かにあったと思う。しかし、一番の理由は裁判リスクを回避したかったからだろう。小保方晴子を懲戒解雇にしてしまうと、小保方側から訴えられる可能性があり理研としては訴訟負担を避けたかったのだろう。必要もない内実を暴露されてしまうというリスクを回避したかったという指摘もある

小保方晴子を辞職させると懲戒解雇にできず、それはまずいのではないか、企業なら辞職を申し出ても受理しないのが普通で、そのような理研の態度は一般常識と乖離しているのではないかと質問する記者がいた。理研は「ほかの大学の研究不正でも処分が出される前に大学を辞める事例はあり、理研だけではない」と反論した。確かに柳澤純、村山明子、立石幸代松原弘明らのように処分前に辞職や雇い止めになる場合がある。(ただし、国立環境研究所は立石幸代の処分さえ行っていない。

しかし、名古屋市立大学は原田直明の辞職願を受理せず懲戒解雇にした事があった東大もアニリール・セルカンの事件で辞職の受理を断ったことがあった。(だたし、民法627条1項により任期なし職員は辞職の申し出から2週間で退職できる事になっているので、やむを得ず辞職させた。)これらの事案は懲戒解雇処分を避けるために辞職させるのは正当でないと判断したので、このような対応になった。小保方晴子の不正は日本史上最大の研究不正事件で世界三大不正とも言われるので、理研は辞職を不受理にすべきだったかもしれない。もともと柳澤純や松原弘明のように辞職後に懲戒処分相当を行うのが、甘すぎる対処で通用させてはいけない事かもしれない。

私は退職金がきちんと戻ってくるなら、表向き懲戒解雇だろうとそうでなかろうといいと思う。せいぜい離職票に懲戒解雇と記載されないだけだ。ただ、退職金の不返還なども考えられるので退職金を支給しない対処ができないとまずく、それができないなら懲戒解雇を行った方がいいと思う。また、辞職後に被告発者が調査に協力しない可能性があるので、辞職を認めるにせよ調査が十分進んでいるかを考慮すべきで、調査が進んでいないなら辞職願を受理しない方がいい。

不正の責任を公式認定された立石幸代の処分さえ行わない国立環境研究所のような対応は非常にまずい何の説明もせず、訂正、撤回すら行わないのも非常にまずい

(6)小保方晴子は捏造を認めるのか、調査に協力するのか?

今後調査が続いていくが、小保方晴子は捏造を認めるのか、調査に協力するのかという疑問がある。NHKでも小保方晴子が調査に協力せず真相究明が難しくなることが懸念された。これは十分に考えられる。今までの態度を見ても、明らかに小保方晴子は保身しか考えておらず、どれだけ悪質で無責任でも保身のためなら平気で不公正な事を行う。検証結果の会見を欠席したのも心身の疲労より、大きなバッシングを受ける事を避けたかったからに違いない。やつれた様子がなかったと報じられた非常にバッシングが強く追い詰められた小保方晴子が調査に協力するのは考え難いし、捏造を認める事はないだろう。理研はそういう事がわかった上で小保方晴子の辞職を認めたのか疑問だが、今後の調査に支障が出ないとよい。調査委員長が辞職を受理しても支障ないと回答したので辞職を受理したと理研は回答したが・・・。これまでも服部良之や川上明夫のように辞めた後に論文の訂正、撤回すら行わない無責任な研究者がいた。一部には在職しても説明どころか訂正、撤回さえしないという人物もいる

こういう状況も考えて、調査を進めていくべきだ。文部科学省のガイドラインでは「被告発者が自己の説明によって、不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは、不正行為と認定される。」(第2部Ⅳ3(3)後段)と明確に示されているので、説明を放棄した時にはルールどおり不正を認めるなどの対処が必要だ。

(7)小保方晴子が何も謝罪や説明をしないのはまずいのではないか。

小保方晴子が何も謝罪や説明をしないのは非常に無責任でまずい。小保方晴子の欺瞞のために日本の科学の信頼は著しく失墜し、理研CDBは解体的組織変更、予算大幅削減、共同研究者も損害を被った。特に笹井芳樹に大きな不幸があった。小保方晴子が欺瞞を行わなければ、これらの不幸はなかった。にも関わらず、小保方晴子が未だに嘘をつき、何の謝罪や説明をせず責任から逃げ回っているのは道義的に非常に悪く絶対に許されない。





2014年12月12日午前10時頃の小保方晴子、とくダネ!より

上の写真は美容院にいった後に直撃取材された時のもの。こんな風に逃げ回っている様はまるで犯罪者のようだ。国内法で刑事罰を与えるのは難しいとみられているが、やったことの悪質さは悪質な犯罪レベルで、刑罰法規があれば刑事責任も負うのが当然だ。小保方晴子はいつまでもこうやって責任から逃げ回るのだろう。いかに美容院にいって外見を美しくしても、このような様を見ると小保方晴子は非常に醜く、無様で、惨めで、見苦しい。極めて悲しい様といえる。

逃げ回っているから酷くなり、改善しない事に小保方晴子が気づく日がくるのだろうか。理研は前に述べた不正原因を参考にして改善に努めてほしい。



3 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-12-19 22:07:35
研究界は不正をしたり、関わったりした方が得ですね。

当事者達はダンマリ、自分は関係ないという態度でいれば良いと。

理事や管理職の人達は、他人事で、事実を明らかにする気もないし、責任とる気もなく、自分の保身だけしか眼中にない。

監督官庁や文科大臣は、
もし科学技術立国を目指すというなら、研究不正の事実を明らかにしろと当事者にも当該機関にも、厳しく問うべきでは?

理研は不正を容認したとしか、みえません。
また海外からは、日本は不正を容認する国としか、みえないのだろうな。

理研はいらない。
日本に科学研究はいらない。
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不正得 (Unknown)
2014-12-19 23:50:08
残念ながら不正やり得ですね。

不正を下という顔もせずに自分を売り込み
学部長

腰巾着は同類だから何も言わないし
上部組織も面倒に関わりたがらない

文科も自浄能力がないことを尻ながら
自浄しろとすっとぼける

不正を容認し丸く収める
人文科学も同じです
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Unknown (Unknown)
2014-12-20 00:07:20
小保方氏を処分しなければ、理研の他の人たちも処分されないのです。
そこが一番重要なのでは?
小保方氏の次に責任があるのは笹井氏ですが、故人の責任を問いたくない。
そして、他の関係者の処分もこれでしないですむ。
理研にとってはこれが一番都合がいいことで、小保方氏がああいう人なので、理研は得していると言えるのではありませんか?
最初から、小保方氏と理研は利害が一致していたのですよ。
若山氏や遠藤氏のような正直者だけが悪者扱いされてますね。
若山氏もこれで処分はなくなるのでしょうが。

小保方氏と理研は氷山の一角で、科学界だけでなく、日本全体がこういうおかしなことがまかり通る社会なのだと痛感します。
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