先月慶應大の金特任准教授の経歴詐称疑惑が浮上し月刊Factaが慶応に公開質問状を送った。しかし、まるで問題を隠蔽したいかのような慶應の誠意のない態度にFacta側が怒ってさらに攻撃を拡大した[1][2][3]。内部告発によると「中村伊知哉(大学院メディアデザイン研究科)教授の盟友の菊池尚人(同研究科)准教授も、DMC途絶後もずっと「KMD准教授」とし続けていた[3]」
「慶応ビジネススクール准教授の小幡績氏の学歴についても疑わしい点があります。Wikipediaによると彼は二浪して東大経済学部を首席で卒業、大学院には行かず大蔵省に入省、1999年退職、2000年IMFの夏季セミナー修了、2001年ハーバード大学でPhD修得となっており自分のブログでも PhDと名乗っています。学士が一年足らずでハーバードのPhDを修得するのは不可能であります。(中略)私はハーバードのPhDは詐称だと確信しています。調査してみて下さい。[3]」
とある。[3]をみると、研究業績のない人を産業界や官界とパイプがあるからといって教授や准教授として雇ったり、著名人がそれらのポストを実質買っている実態があると書かれている。研究業績のない彼らが「一流大学教授」の肩書きで政府系の委員になって官僚たちにとって都合のいい意見を述べるのは問題だとも指摘されている。こういう人を慶應が教授などにする理由は一言で言えば彼らを広告塔として使いたいのだろう。そのあたりの考察は[4]を見るとわかる。
月刊Factaは公開質問状を7月10日回答締め切りで慶応に送った。問題が拡大した以上前回のような誠意のない対応は通用しないと注意された[3]。慶應はどう対応するんだろう?一度不正の隠蔽に動いた以上後には引けないとしてこのまま同じ態度を続けるのか、それとも不正を認めるのか。
私から慶應に助言すれば、経歴詐称などの問題は素直に認めた方がいい。もともと経歴に関してはきちんと調査すれば客観的に正当かどうかがわかる。そういうことをごまかそうとすると損失を広げることになる。
今回の問題は慶應の大学運営の問題という慶應にとって痛いところをつかれているので、慶應としても認めたくないので、こういう対応になっているのだろう。東北大学などのように研究機関にとって都合の悪いものはとかく不正としない方向で対応しようとするのはどの研究機関でも変わらないようだ。
参考
[1]世界変動展望 著者:"慶應義塾大学金正勳准教授の経歴詐称疑惑" 世界変動展望 2012.6.27
[2]月刊Factaの公開質問状1 2012.6.21
[3]月刊Factaの公開質問状2 2012.7.6
[4]"FACTAの慶応大学、金正勳准教授経歴についての質問状(続編)" アゴラ 2012.7.10