世界変動展望

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坂田昌一

2008-10-09 22:37:36 | 科学技術
 ノーベル物理学賞受賞で賑わっている科学界だが、今回の小林・益川のノーベル物理学賞受賞の背景には坂田昌一博士の存在が見逃せない。坂田昌一氏は名古屋大学物理学教室素粒子理論専攻の教授であった。坂田が活躍していた当時は「素粒子の分類」という仕事が大きな役割を果たしていた。結果としてクォークでの分類を提唱したゲルマン(1969年ノーベル物理学賞受賞者)に敗れたとはいえ、坂田の業績はノーベル賞を受賞してもおかしくなかった。当時の名大物理の坂田研究室は世界レベルの研究室であった。小林、益川はその研究室の出身である。

 残念ながら坂田自身はノーベル賞を受賞してもおかしくない業績があったが、受賞しなかった。しかし、代わりに素晴らしい弟子二人が受賞を果たした。自分自身がノーベル賞を受賞しなくても、素晴らしい研究指導をしていれば弟子がノーベル賞をもらうかもしれない。