ノ社の公表によると『また、当元社員の部下で ある別の元社員も、そのうちの1つの研究に関係していました。[1]』とある。
Kyoto Heart Study,Jikei Heart Study,VART,SMART,Nagoya Heart Studyの5つのうちのどれかに関わったわけだが、これは誰でどんな関与をしていたのか?公正な研究が行われたのかどうか、利益相反の観点で関心のある国民は多いかもしれない。
現在私はこれらの事実を知らない。
参考
[1]ノバルティスファーマ社の公表 2013.5.22
朝日新聞2013年5月23日
製薬社員、高血圧治療薬の臨床研究に関与 論文で身分明かさず
製薬大手ノバルティス(本社・スイス)の日本法人は、社員が高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の効果を調べる臨床研究に関与しながら、論文には社員の身分を明示しなかったとする社内調査報告をまとめた。データ解析にかかわっていたという。「不適切だった」として22日に日本医学会などに報告した。中立性が求められる研究が「企業寄りではないか」と疑いの目で見られかねない事態となった。
報告によると、問題になったのは京都府立医大、東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大がそれぞれ中心となりディオバンを他の薬と比較した五つの医師主導臨床研究の論文。
同社はこうした論文を医師向けの説明文などに引用して宣伝してきた。論文に社員の名前が掲載されていたが社員の身分は明記せず、肩書を示す場合は非常勤講師だった「大阪市立大」と記載。滋賀医大に関しては、別の社員1人も社員と明示せずに加わっていた。2人とも現在は同社を退職しているという。
同社が社員らに聞き取り調査などをした結果、社員はデータの統計解析という重要な役割を果たしていた。特に京都府立医大と慈恵医大では関与が大きく、研究を進めた医師らの会合にも出席していた。社員の上司に「研究へのかかわりを認識し支援した者がいた」として組織的関与だったことも認めた。同社に有利になるようなデータの操作や改ざんがあったかどうかは「判明していない」としている。
社員の身分を示さずにかかわったことは、研究の中立性を保つことに対して「利益相反」の問題が生じる。同社の行動規範や医師主導臨床研究の基本原則からすれば「不適切」と結論づけた。同社日本法人はこれまで社員の関与を否定していた。(編集委員・浅井文和)