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世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

なぜ1582年10月5日~1582年10月14日は存在しないのか?

2013-09-11 00:55:55 | 物理学・数学

ネット上などで1582年10月のカレンダーをみると1582年10月5日~1582年10月14日だけ存在しません。なぜでしょうか?これはユリウス暦を使っていたために生じたずれを修正するためです。

1582年10月4日(木)以前はユリウス暦、翌日である1582年10月15日(金)からグレゴリオ暦が実施されています。ユリウス暦は1年を365.25日とし、4年に一度閏年を置く暦です。しかし、実際の地球の公転周期は365.2422日(平均太陽年)で、365.25 - 365.2422 = 0.0078日だけユリウス暦の方が長いです。

325年のニカイア公会議でユリウス暦の毎年3月21日を春分日とすることが決められました。しかし、実際の春分日は毎年0.0078日だけずれ続け、325年から1582年までの1257年間に生じたずれは、

0.0078 × 1257 = 9.8046 ≒ 10

より、約10日です。1582年3月21日は春分日とされましたが、実際の春分日は約10日前の1582年3月11日だったのです。暦がずれるというのは農作物の栽培時期が狂ったり、実生活上でも不利益があったでしょうし、キリスト教の最重要祝日である復活祭は春分日を基準に決めていたので、ローマ・カトリック教会は事態を無視できなかったのでしょう。当時のローマ教皇グレゴリウス13世は暦を改訂しグレゴリオ暦を実施。この時に春分日のずれをニカイア公会議時の頃に修正するために10日分日付を進めました。

つまり、1582年3月11日→1582年3月21日(春分日)と修正する必要があったので、10日分日付を進める必要があったのです。そこでグレゴリオ暦に改訂するときに、1582年10月4日(木)の翌日を1582年10月15日(金)とし、1582年10月5日~1582年10月14日の10日間を省くことで春分日のずれを修正しました。日付が存在しないのはこのためです。グレゴリオ暦は1582年2月24日に発布され、実施されたのが同年10月15日です。おそらく10月は行事が少ないので実施したのでしょう。

0.0078 × 400 = 3.12 ≒ 3

ユリウス暦の400年は平均太陽年の計算より約3日長いです。そのためグレゴリオ暦では400年で3年だけ4で割り切れる年でも閏年でない年を設けました。具体的には100で割り切れるが400で割り切れない年(1700、1800、1900、2100年など)を閏年でないと定めました。400年で97回閏年があるグレゴリオ暦の1年は

365 + 97 / 400 = 365.2425 日

です。グレゴリオ暦の方が平均太陽年より1年が約0.0003日(約26秒)だけ長いですが、1日のずれを生じるのに3200年以上かかるので、かなり精度の高いものです。しかし、いずれ修正は必要になるでしょうから、西暦5000年頃までのどこかで1日省く修正が行われるでしょう。

以上です。日付が存在しない理由をおわかりいただけたでしょうか?