「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「山賤われは」 

2007-09-24 17:13:13 | 和歌

 今は亡き義兄のお弟子さん達が、今年も研鑽の成果を発表する展覧会を開催するという。 賛助出品を求められて、久方振りに筆を執った。

 嘗て仕事で足繁く訪ねた宮城県女川で、雄勝面子を入手してあったので、これに胡粉で「抱甕(ほうおう)」と揮毫し、その下に一首を添えた。
作品の紹介には石版解説も加え、「酒仙・虚庵自詠」とした。 






         山づとのぶどうを甕(かめ)に醸(かも)さむと

         抱きてやまずも山賤(やましづ)われは



 
          石版解説

          宮城県 雄勝地方に産する天然石。
          純良な石材は雄勝硯として珍重されている。

          一方、古来より民家・社寺仏閣の屋根葺き材に重用され、雄勝面子
          (おがつめんこ)と呼ばれた。
          小さな釘穴二つのみの、定かならざる目鼻立ちの顔に見立てられ、
          何時の頃からか不細工な顔「オカチメンコ」の語源となった。