今は亡き義兄のお弟子さん達が、今年も研鑽の成果を発表する展覧会を開催するという。 賛助出品を求められて、久方振りに筆を執った。
嘗て仕事で足繁く訪ねた宮城県女川で、雄勝面子を入手してあったので、これに胡粉で「抱甕(ほうおう)」と揮毫し、その下に一首を添えた。
作品の紹介には石版解説も加え、「酒仙・虚庵自詠」とした。
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山づとのぶどうを甕(かめ)に醸(かも)さむと
抱きてやまずも山賤(やましづ)われは
石版解説
宮城県 雄勝地方に産する天然石。
純良な石材は雄勝硯として珍重されている。
一方、古来より民家・社寺仏閣の屋根葺き材に重用され、雄勝面子
(おがつめんこ)と呼ばれた。
小さな釘穴二つのみの、定かならざる目鼻立ちの顔に見立てられ、
何時の頃からか不細工な顔「オカチメンコ」の語源となった。