小学校の中庭の水槽には、「あおみどろ」が満ちて、金魚が冬眠していた。
最近の住宅地では、殆ど見かけなくなった「あおみどろ」が、これ程に繁茂し、これ程に美しい情景に出会ったのは幸運であった。 間もなく一年生が入学して、この水槽の周りも、賑やかな日々を迎えるであろう。 学期末の閑静な小学校で、一時の至福を堪能させて頂いた。
水槽の水綿(あおみどろ)満つ陽だまりに
金魚は眠るや身動きもせず
常ならば子供ら集ふ水槽は
金魚眠りて物音もせず
やがて来る一年生を待ちわびて
金魚の夢みるあおみどろかな
あおみどろ定め無き身を嘆くまじ
寄り添う金魚を支えて麗し
混沌の人の世写すあおみどろ
身はおぼろにも 我が身を育てて