「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「耀く明日への帳・とばり」

2012-11-30 11:25:25 | 和歌

 短い九州の滞在であったが、様々な思いが募る旅であった。

 学生達との意見交換では、ともすると経験豊かなシニアが一方的に喋り続けて、若者がもっぱら聞き役になりかねない。次世代を受け継ぐ若者にも十分の発言を促し、 共に考え、議論を重ねることで相互理解を深めたいものだ。学生との対話会では、虚庵居士はファシリテータとしてそんな気配りをしつつ、司会役を務めた。
前向きな対話を契機にして、明日に向けての確たる心構えと気概を養って貰いたいと念じて、九州大学にやって来た。

 

 東電・福島事故は、周辺住民の避難を始め、汚染除去や放射性廃棄物の中間貯蔵の問題、原子力安全基準やシビアアクシデント・マネージメントの再構築、我が国の長期エネルギー政策の確立、廃炉を含む原子力技術の将来展望、或いは事故の教訓を活かした国政貢献などなど、極めて多くの課題を我々に突き付けている。

 学生との対話会の挨拶でも、「次世代への負の遺産のバトンタッチは、誠に申し訳ない」と、心からのお詫びをした。一方では、現役の後輩諸君が極めて緻密な対応策を着実に構築しつつあり、国際的にも我が国への期待が高まりつつある現実に、学生諸君は視野を開いて欲しいと訴えた。

 人類の歴史をひもとけば、大きな危機を克服し、次への飛躍のエネルギーとして来たのが判然とする。 現在の社会環境は誠に厳しいが、次世代を受け継ぐ若者は、是非とも雄々しく立ち向かって欲しいものだ。

 福岡空港で搭乗を待ちつつそんな思いを巡らせていたら、空港のイルミネーションは闇の現世から、学生達が開く「明日への帳」のようにも想われた。

 


           若者に思ひのたけを投げかけて

           明日を託しぬ 伊都キャンパスにて


           学生のカガヤク瞳と迸る

           意欲の言葉に明日見る心地す


           空港のイルミネーション眺むれば

           「耀く明日への帳」に見ゆとは


           機会あらばまた訪ね来む伊都国に

           女王卑弥呼のロマンを辿らむ


           「漢委奴国王」(かんのわのなのこくおう)の金印も

           次にはまみえむ額を近づけ







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