「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「緑葉と彼岸花」

2015-09-18 21:57:25 | 和歌

 自然の律儀議振りには、何時もながら感服だ。
間もなく「秋の彼岸」を迎えるが、時を違わず「彼岸花」は見事に咲き誇って、「ああ、お彼岸が来たな」と教えて呉れる優れものだ。


                        撮影とご提供 片岡勝子様

 一般的に「彼岸花」は、土中から花茎だけがスクッと立ち上げって花をつける。
云うまでもなく緑葉は全くない無い状態で咲くので、どこか「寂しげ」なイメージが付き纏っていた。 送って下さった「彼岸花」は、様々な緑葉に囲まれてさいているので、改めて見直すとまた別のイメージだ。

 草花に限らず、見慣れた周辺環境や何時もの状況が、意外と固定観念を作っている様だ。その様な状況が当たり前になっているとなかなか気付かないが、時には措かれた環境条件を替え、或いは視点を意識的に転換して物事を捉える、発想を変えて思考することが我々にとっては極めて大切だと、改めて気付かせてくれた「緑葉と彼岸花」であった。
 

           紅のいと細きしべ八方に

           ひろげて咲くかな彼岸花はも


           花茎は何も待たずに立ち上がり

           ただひたすらに彼岸に咲くとは
 

           秋ゆけば 彼岸におもひを致すかも

           寂しげに咲く彼岸花みて


           様々な緑葉かこむ彼岸花と

           交わす言の葉 思ひは如何なれ


           緑葉と彼岸花との交歓に

           無言の訓えをいただく爺かな







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