散歩道の脇の植え込みの中に、ハッとさせられる一株の花が咲いていた。
花茎が50センチ程のびて、その頂にピンクの花がかなりの数で華やいでいた。枯れ葉が散り落ちて、すっかり冬仕度が整ったこの時節にしては、貴重な華やぎだ。花の姿はどことなく彼岸花に似ているが、細い葉がしどけなく足元に絡んでいるので、彼岸花とは違うようだ。
このお宅の住み人は、枯れ行く晩秋の後の侘びしさを、この花で癒しているに違いあるまい。花の脇の支柱が聊か邪魔に思われたが、木枯らしが吹けば長い花茎は煽られて、倒れたり折れたりすることもあるのであろう。支えの棒を添える花人の心が偲ばれた。
帰宅後に調べたら、南アフリカ原産の「ネリネ(別名ダイヤモンドリリー)」だと判明した。
花の種類としては彼岸花のお仲間らしいが、華やかな花が愛されるのであろう数種の園芸種があって、それぞれに固有の花名が付けられているようだ。
道行けば華やぎ咲くかなひと群(むら)の
花と語らふひと時なるかも
手を拡げ歓喜に舞ふや七重八重に
おりなす花の思いを酌まばや
いや遠く嫁ぎ来たるやアフリカの
ネリネの花の馬堀に咲くとは
花茎のいと長ければとて花びとの
心映えかな支を添えるは
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