「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「葉隠れの万両」

2010-12-28 18:33:13 | 和歌

 歳末になると何かと忙しくなるのはお互い様だが、表通りに面したフラワーベルトのツツジが、日頃から手入れを怠っているのが気になって、大きな剪定鋏を取り出した。「うつろ庵」のツツジは「大紫」に植え
替えたので、刈り込みは程々にして、伸びやかな大紫の枝の成長に任せてきたが、手入れをサボるのもそろそろ限界だ。

 整枝の作業を半分ほど済ませ、門の右手に場所を替えたら、「大紫」に隠れて「万両」の一株が五十
センチ程に成長していた。大紫の枝葉に隠れて、これまで気付かなかったが、赤い実を付けた一人前の「万両」だ。これまで日蔭者の存在で、口を閉ざして我慢してきた「万両」に申し訳ない思いが募って、剪定の方針を急きょ変更をして、万両の周りの大紫を見苦しくない程度まで刈り込んだ。大紫のはびこる枝葉で、聊かイジケタ姿・形を細い篠竹で補った。

 二・三軒先のご近所のフラワーベルトに、立派に育った万両の一株があるが、一・二年のうちには是と覇を競う「万両」に育ってくれるに違いない。





 一たび万両が気になると、道行く先々で万両が目に入るから不思議だ。
赤道の、植え込みの足元までもが丁寧に掃き清められた中に、二株の「万両」が己の座を占めていた。






              わが庵に集う小鳥の置き土産か

              つつじの陰に「万両」育つは


              とき放つ大紫の葉隠れに

              「万両」育てり口を閉ざして


              この後は日陰にさせまじ陽を浴びて

              ゆたに在りませ「万両」の君よ







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