「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「八角」

2015-05-02 15:57:45 | 和歌

 ご近所の山野草マニアのご老人から、「八角」の鉢植を頂いて二年経った。
正方形を二つ重ねて、45度ずらせた八角形が、「八角」の特徴ある葉の姿だ。



 念のため山野草図鑑で調べた。爺さまが名札に書いて下さった「八角」は見当たらなかったが、「八角蓮」「白花八角蓮」「アメリカ八角蓮」など、お仲間と思われる山野草・薬草が検索出来た。何れも葉茎の中ほどに紫・ピンク・白色等の花を咲かせる山野草で、花の色と蓮葉を合わせて、それぞれの名前が付けられ、マニアには人気の山野草のようだ。台湾・中国が原産の山野草で、漢方薬としても利用されているようだ。

 四月の中頃に、ムクムクと「八角」の新芽が頭を持ち上げた。その姿が何とも云えずユーモラスで、虚庵夫人と共に笑いころげた。

 「八角」の成長は目を瞠る程で、アッと云う間に「八角形」に成長した。
図鑑で調べた様々な「八角蓮」は、花をつけるためか、或いは葉茎が枝分かれして二枚葉に育つのが原因かは不明だが、何れも「八角形」の形が崩れているのが残念だ。爺さまが「八角」と名札に書き残して置いて行った「思い」が偲ばれる程、「うつろ庵の八角」は、見事に整った「八角形」ではないか。 

 
           ご近所の爺さまの手土産「八角」の

           新芽のムクムク 思わず笑いぬ


           爺さまは「八角」の名の由来をば

           もろ手をずらせてご説明かな


           「八角」の名札を自ら書き残し

           名残惜しげの暫しの歓談 


           爺さまの姿を見かけぬこの頃に

           身のほど案ずる じじとばばかな







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