「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「丸葉空木」

2012-06-08 08:08:14 | 和歌

 林の中の勾配の急な径を散歩していたら、眼の前に白い群花が現れて、息を呑んだ。


 
 薄暗い林の中で、微かな木漏れ日が群花にさしていた。あたかも虚庵夫妻に「お疲れでしょう、一息ついてお休み下さい」と、囁きかけているかのような風情であった。

 陽が遮られているので、林の中は殆ど草花は見当たらないが、虚庵居士の背丈にも満たない程の頼りなげな灌木であったが、白い小さな群花の存在感は抜群であった。

 帰宅して花図鑑のお世話になったら、「丸葉空木」だと判明した。
この季節は多少の前後はあるが、箱根空木や梅花空木なども花時を迎えている。丸葉空木も林の中で、懸命に咲いたかとおもえば、愛しさも一入だ。


 

          薄暗い林の径を息切らせ

          登り来れば群花迎えぬ


          木漏れ日の微かに射し込む林中に

          白きむら花 浮きいずるかも


          息切らす老いの夫妻に囁くや

          脚を留めてしばし休めと


          微かなる木漏れ日頼り懸命に

          丸葉空木は白く咲くかな







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