「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ぎぼうし・擬宝珠」

2011-12-23 23:12:55 | 和歌
 
 「うつろ庵」の「ぎぼうし・擬宝珠」が、季節外れの花を咲かせた。

 今年の晩秋は、様々な花が思いもよらず咲いて、「あれ!」と戸惑いつつも愉しませて貰った。  












 虚庵夫人が鉢植えにした擬宝珠も、葉の縁が枯れ始める頃になって、茎を伸ばしていた莟が一気に膨らんで開花した。冷気が厳しくなる昨今だが、擬宝珠の開花の決断に拍手を贈りたい。

 「うつろ庵」の狭い庭は、南向きの三方を珊瑚樹で囲こみ、寒風を遮っているので、庭の花木も草花にとっても、季節感を狂わせているのかもしれない。住人は「季節外れの開花だ」などと呑気な思いでいるが、庭に同居する彼女らにとっては、季節感を狂わせられて「迷惑よ」とノタマッテいるのかもしれない。

 それにしても、擬宝珠の花の縁はなんと繊細なことか!
ありきたりの花弁の縁は、花弁そのものの縁だが、擬宝珠の花弁の縁はごく繊細なフリルで飾られて、乙女の気品が漂っている。寒気にさらされれば、たちまちに傷んでしまいかねない繊細な花を咲かせて、「うつろ庵」の主にご挨拶くださった擬宝珠に「感激」だ。



 

          身をすぼめ庭におりたつ冬至かな

          朝の木漏れ日 莟を包むや


          いまだなお眠れる庭の一鉢の

          擬宝珠 姉弟の 朝の挨拶 
         

          稚けなき手のひらかざして このあした

          笑顔で迎える声を聞くかも


          朝日うけて私は元気よと背伸びする

          ギボウシ姉弟に手を振り応えぬ


          この寒きあしたに嫁ぐやかんばせに

          ベールをまとうふ 君の微笑み


          じじばばは君の幸せ念じつつ

          あれやこれやと思ひ惑いぬ
 

        




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2 コメント

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暮れのご挨拶 (ジャム)
2011-12-27 17:33:23
オーガンジーのようなフリルがオシャレです
儚げで守ってあげたい貴婦人のようにも。
虚庵様の写真の花々は、綺麗に撮ってもらって
よろこんでいることでしょうね(^_-)
そして私は、そんな花々に癒されました

今年も素敵な写真と歌とエッセーを
ありがとうございました
来年もよろしくお願いいたします
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よいお年をお迎え下さい    (Kyoan Jiji)
2011-12-28 12:05:12
ジャムさま

「暮れのご挨拶」有り難うございます。

「うつろ庵」のギボウシは、気の毒にもクリスマス
寒波に耐えられず、花も葉も一気に萎れました。

しかしながらジャムさまに頂いた、素晴らしい
お褒めの言葉は、ギボウシの花にとってどれ程に
「うれしかった」ことかと偲んでおります。
ギボウシに代って、御礼申し上げます。

来る年もまた、ご来訪をお待ちしております。



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