御学問所には等身大の「威儀の者」が、将に活きた人間であるかの如く、威儀を正し睨みを利かせて
帝をお護りしていた。
源氏物語を勉強している皆さんでも、当時の殿上警備の様は、物語の中には記述がないので、興味深く観覧したことであろう。七段飾の雛人形の中には、三人官女や五人囃子等と共に、「威儀の者」が組み込まれているが、昨今のお雛祭りも狭い居住空間の制約から、お内裏様と僅かなお飾りに簡略化されているので、当時を偲ぶよすがも殆ど無くなったのは残念だ。
それにしても、警備の武士にもこの様な衣装を身に着けさせていたのは、天上人への限りない敬意を抱いてのことであろうか。警備とはいえ、天上人のま近に仕えるのは「近衛府・次将」の役柄だそうだから、将に雲の上の世界を垣間見る思いだ。
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もののふの誉れと見るかも威儀の者の
衣装に見とれる市民のまなこは
雛飾りの両脇に立つ威儀の者を
思いいだして懐かしむかな
孫娘の雛の飾りを寿がむ
ばばの奏でる琴の音をそえ
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