「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「黙して語らず」  - 札幌その六

2006-10-04 20:37:35 | 和歌

  過去の原子力産業界は、余りにも「黙して語らず」であった。





 原子力発電について社会が安全だと認める大前提は、発電所が安全で安定な運転を継続し、その実績を積重ねることにあるが、従来は経営者も技術屋も口を噤んで、市民の皆さんへ語りかけをしようとしなかった。このことが、原子力発電に対して「不安感」を今まで残した、一因にもなっていると考えられる。

 トラブル発生時に、「技術的な説明をしても、難しくて理解出来ないだろう」との驕りが無かったか? メディアが誇張した表現をしても、歯を食いしばって、復旧に全精力を傾けるだけではなかったか? これでは百年経っても理解は得られまい。
当事者は自分の言葉で解説し、記者も隣人も納得できるまで説明する責任があろう。





 人間は納得できれば不安は解消され、安心できる。次世代を担う若者は身近な者に語りかけ、一人でも多くの市民が納得し、「お前がやっている原子力なら安心だ!」と言わせて欲しいものだ。(北大でのシニアと学生の対話・感想文より)






             棘あれど黙して語らず薔薇の花は 

             思いをこめて咲きわたるかも



             花ならずまして香りのなきものを
 
             如何につげばや語る他なし 



             責められることを懼れて口つぐみ
 
             語りかけずば理解は得られじ  






最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何事も継続なのですね・・・ (むろぴい)
2006-10-06 12:27:03
こんにちは!



ご無沙汰しておりました。



記事を拝見し、何事も継続なのだと思いました。

特に、まともな内容であればあるほど、時間が必要

であることも分かるような気がします。



がんばってください。
返信する
継続は金、沈黙は銀、そして・・・   (虚庵)
2006-10-06 16:04:23
むろぴい様



久方ぶりにご来訪下さって、有難う御座います。

時間の細切れを紡ぎつつ、書き付けるのが精一杯にて、此方こそお訪ねもせずに、ご無沙汰いたしてすみません。



ご指摘のように、社会の皆様から信頼されるには、安心出来る状態が継続しませんと、本当の受容性は得られないもののようです。従来、「沈黙は金」と語り継がれて来ましたが、グローバルに観て、エネルギー問題は今まさに大きな転換点を迎えています。謂わばエネルギー文明は「火の文明」から「化学反応の文明」に移行し、人類は「核反応の文明」へのパラダイムシフトを迎えつつあります。



この様な時には「沈黙は銀」となり、放置すれば「沈黙は瓦礫」となります。一番分かっている当事者こそが、自らの言葉で説明する責任を自覚することが、極めて大切なことだと、最近になってつくづく反省しております。



激励を頂き、感謝・深謝デス。



返信する
北の空からの熱き想い・・・ (風待人)
2006-10-06 17:18:17
虚庵さまの北よりのお便りに

こころを強く励まされる想いがいたしました。



「人間は納得できれば不安は解消され、安心できる。」



とは、様々なことにも当てはまるお言葉に感じました。



だからこそ、広く確かな知見を多くの方々が共有しながら

さらに明るい未来を創造できるように



若い人も、この社会をつくった私たちも一緒に

考えていくことが大切なのでしょうね。



ほんとうに、秋のバラが美しくて…

見とれてしまいました!!





北の空  秋のバラとて きらきらと



   わかき想いを  未来にえがく 







うつくしき  バラを未来の  子たちにも

  

   届けんがため  あつく語らん
返信する
熱き想いに・・・  (虚庵)
2006-10-06 21:34:57
風待人さま



核心のところを、お汲み取り下さって有難うございます。ご指摘のように、原子力発電の「安全と安心」を超えて、多分、人と人とが理解しあうという原点は、「納得できる」ことに在るのではないかと、思っております。



  風待人さまに和して かへし二首



    若人は香りたつかも自ずから

    手入れとどかぬ苑にありても



    ほとばしるあつき語りの想いをば

    受けて醸せる 若酒酌みまし  

返信する

コメントを投稿