「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「花虎の尾」

2009-08-27 00:29:45 | 和歌
 
 「うつろ庵」のテラスの先には、何時の間にか様々な草花が入り混じって、折々の花を愉しませて呉れているが、昨今は「花虎の尾」が主役だ。

 早春は福寿草・水仙・ムスカリに始まり、やがて芍薬や紫蘭などが狭い花壇を次々に彩って、虚庵夫妻を愉しませてくれる。虚庵夫人がごく狭い花壇の隙間に、何の計画性もなしに植え込んだ結果だが、斯くも巧いこと時系列をなすことなど、彼女の頭に計算できていたとはとても思われない。しかしながら改めて問えば、「計算通りなのよ」と誇らしげにノタマウに違いあるまい。

 夕涼みを兼ねてテラスでの夕食が、この処「うつろ庵」の定番であるが、風灯に照らされておぼろげに揺れる「花虎の尾」は、庭園の小さなボンボリの風情があって、虚庵夫妻を惹きつけてやまない。

 長女も長男もそれぞれの家族と共に、遠く暮らすこの頃であるが、ビールとワインの酔いに任せて、孫たちの話題が尽きることもなく続くのは、「至福の夕べ」と云うものであろうか。





             ツンと立つ莟の列をかざしつつ

             花虎の尾は主役で咲くかな


             口あけて群れたる金魚か花々は

             のどの奥まで全てを晒して


             日をおいてやがて膨らむ莟かも

             序列を乱さぬ見事なけじめは


             風灯に照らされ揺れるはぼんぼりか

             花虎の尾に想いを重ねて






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