「アリウム・トリケトラムと 教育系の学生達」

　散歩の途上で見かけた清純な花の姿が、シニアとの対話会で出会った学生達の　真摯な姿と重なって、瞼に浮かんできた。

　この可憐な花は毎年４月下旬から５月にかけて、虚庵居士の散歩コースの一つ、横須賀・走水海岸で出会うのだが、名前が不明のまま何年かが過ぎた。ようやっと　過日のウェブ検索で、名前が知れた。国内の花図鑑やウェブでは探しあぐねたが、海外まで手を広げてやっと見つかった。国内では、まだ稀な品種かもしれない。

【Allium triquetrum】アリウム・トリケトラム
Allium triquetrum (also known as three-cornered leek, angled onion, onion weed,
three-cornered garlic, and triangular stalked garlic) is a Mediterranean plant
in the family Alliaceae, but can also be found along the coasts of Oregon and
California. Many parts of the plant are edible and taste somewhat like garlic
or onion. The plant spreads rapidly and is locally common/invasive, particularly
in disturbed areas.

Allium triquetrum grows from an ovoid bulb with stems growing to 10-40 cm.
Stems are sharply 3-angled, leading to the common name, three-cornered leek.
Inflorescences are one-sided umbels with 3-15 flowers each.





　福島原発事故の後、初めての学生とシニアの対話会が国立愛知教育大学で開催され、参加した。

　名鉄名古屋本線「知立・ちりゅう駅」集合１０時のためには、自宅を５時半出発となった。新幹線で睡眠時間を補いつつ、予定通りの時刻に集合し、何年かぶりで　
愛教大に辿り着いた。

　学生たちは全員が理科の教員予備軍で、これに実務についている教員がかなりの数参加した。福島原発事故については、既に新聞やテレビで相当程度を自分で勉強してきた学生達だが、反応は予想通りと、予想を超える両面が見られた。





　溢れる原子力事故報道にも拘らず、意外にも冷静に受け止め、「脱原発」に毒されていなかったのは、教師の卵としての自覚のなせる業であろうか。一方では予想通り、今後の原子力発電と再生可能エネルギーに関するする見通しにつき、かなりの質問が見られたのは当然だといえよう。

　教育大学・理科の学生として、将来「子供たちにどの様にエネルギー問題を教えるか」、そのために先ず「自分たちが正しく理解せねば」との真摯な姿勢には、共感を覚えた。メデイアの情報の中から「正しい情報を自分で選択し、分別するための基礎的な力を先ず身につけたい」、との発言がかなりの数に上ったのは、指導教授のご尽力の成果であろう。

　社会の脱原発の風潮に流されることなく、原子力の持つ特性を理解し、子供たちにそれを正しく伝え、更には「子供たちが正しく理解できるリテラシーを身につけさせるのが、教育の役目だ」との受け止め方は大正解だ。シニアが伝えむとしたポイントを感知してくれたのには、シビレタ。




　既に実務についている先生方がかなり参加したが、彼・彼女らの真摯な姿勢を学生に示したことも、貴重な無言の訓えになっている筈だ。大いに評価したい。


　　　　　　　　　　　　清純な花の姿の愛しくば

　　　　　　　　　　　　その名を知らむと幾歳経にけり


　　　　　　　　　　　　深夜までウェブ検索を繰り返し

　　　　　　　　　　　　その名を見つけぬ　アリウム・トリケトラム


　　　　　　　　　　　　子供らに真実告げるが我々の

　　　　　　　　　　　　勉めと言うかも教師のたまごは


　　　　　　　　　　　　在るがまま伝えるを超え子供らに

　　　　　　　　　　　　判断させ得る力を育め