「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「千日紅」

2013-10-08 00:07:25 | 和歌

 猛暑の季節がやっと過ぎて、一息つくこの頃だ。
真夏の花枯れの時節にも、「千日紅」はよく耐えて咲き続けた。昔から仏花とも呼ばれ、仏壇やお墓参りなどにも重宝がられた花だ。

 

 真夏の酷暑にも堪え、秋になっても瑞々しい花と葉を保つ活力には感服だ。
逞しく咲く姿を古人は、「千日も紅に咲き続ける花」との敬意を籠めて、「千日紅」との名前を付けたものであろう。千日は些か大げさだが、「さるすべり」を「百日紅」と呼ぶのと相通じる呼び名と云えよう。 「白花さるすべり」 をご参考にどうぞ。

 よく見かける草花ゆえに、眼を凝らして観察することもなく見過ごしてきたが、改めて近くに観れば、一つ一つの花の姿は均整がとれて、何と可愛いことか。長い花茎の先に、独特の花弁を丸く整えて咲くのは、「詰草」とも通じる咲き方だ。

 


           いにしえの人々敬う花なれば

           仏に捧げる草花ならむや


           花枯れの猛暑の季節も咲き続け

           千日の名を戴く君かな


           蟲すだく秋を迎えどいまだなお

           その葉も花も瑞々しきかな


           あまりにも身近な花ゆえこころして

           観ることもせず申し訳なし


           改めて君が近くに寄り添えば

           うなじの微かに揺れるぞいとしき







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