「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「苧環・おだまき」

2006-05-11 01:18:04 | 和歌

 「おだまき」が椿の根元の鉢に咲いた。

 どうしたものかこの花のイメージは、陽光が燦々と照らす世界ではなく、木漏れ日がさし込んで来る木影の雰囲気が相応しいようだ。虚庵居士が勝手に描くイメージの世界でのことだから、当らないと指摘する人もあろうが・・・。思えば、多分に静御前の歌による思い込みが、そうさせたのかも知れない。「しづやしづ賎のおだまき・・・」の歌は、この花とはかかわりもないが、「おだまき」と歌われた「糸取りの苧環」と、花の名前の「おだまき」がたまたま共通ゆえに、「おだまき=静御前=哀しみにくれる白拍子=木漏れ日」という観念の連鎖が、何時の間にか結びついたのかもしれない。





 それにしても、おだまきの花の木漏れ日を受けて咲く姿には、相見ぬ静御前の、気品ある舞姿が偲ばれる。



             義経を慕いて舞いつつ詠みたると

             伝ふる歌のひびきかなしも

  

             たまきわるいのちをかくごのうたなれば

             まいひおおぎもたゆたひなからめ



             木漏れ日を受けて咲くかもおだまきの 
 
             花の姿に 静御前見ゆ  




         

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2 コメント

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花の光 (トクタン)
2006-05-11 09:19:14
虚庵さんの花の写真は

光の当たり方に特徴がありますが

何か工夫されていますか?

ストロボは直接当たっていないようだし、

必ず順光で撮れるものでもないし・・

花が自ら光を発しているように感じます。
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「おだまき」の花   (虚庵)
2006-05-11 09:45:55
鋭い観察、恐れ入ります。



虚庵居士は、撮影技術といえるような技量は

何も持ち合わせておりませんし、

バカチョン・カメラですので皆様のような、

メリハリの利いた写真は撮影出来ないものと

当初から諦めています。



ブログをお訪ね下さる皆様に、すこしでも虚庵居士の

目に映った感動のお裾分けをしたいと願って、

その都度あれこれ写したものから選んで掲載

しております。



この「おだまき」は、鉢の位置を若干工夫して、

木漏れ日の当り方を調節しました。

ストロボを当てますと、色合いが損なわれますので

原則として自然光を大切にしたいと思っています。



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