「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ブラシの木」

2010-06-21 12:17:38 | 和歌

 久しぶりに「ブラシの木」に出遭って、思わず虚庵夫人と顔を見合わせた。

 鋭い針に串刺しの蜜蜂! と見れば、蜜蜂は鋭い針の花をかき分けて、花蜜を一心不乱に吸い続けていた。この花を初めて見たのは、オーストラリアへの旅行であった。まさに「ガラス瓶専用のブラシ」そのものではないか! しかも花の名前を現地人に聴いたら、 ”Bottle Brush ”だというから、虚庵夫人と大笑いであった。

 最近はペットボトルがはびこって、ガラス瓶を洗って使うなどという日常生活の習慣は失われたが、嘗てはガラス瓶は洗って再利用するのが当たり前であった。針金をよじってその先端部分にブラシを巧みに
仕込んだ、まことに使いやすい生活必需品であった。

 オーストラリアの亜熱帯性気候のもとでは、春・秋、或いは年間を通して咲くこともあるらしいが、日本でもこの時期にはかなり花を付けるから、順応性の優れた木だといえそうだ。洋の東西を問わず、「ブラシの木・Bottle Brush 」として親しまれ、庶民感覚の花ではあるが、それにつけても何とも「タマゲタ」花だ。鋭い針の数々は雄蕊らしい。






            針千本 これが花とは如何なるや

            造化の神もイタズラ好きらし


            蜜蜂はスルドイ針に串刺しか

            針かき分けて花蜜吸うとは


            我妹子(わぎもこ)と目を見合せぬ懐かしき

            豪州に観しブラシ花かな






最新の画像もっと見る

コメントを投稿