「うつろ庵」のテラスに「鬱金・ウコン」が咲いた。
大きな葉陰に隠れて根元に咲いた花は、暫らくは気が付かなかったが、お花を見つけた虚庵夫人は感激の声をあげた。 葉の丈は虚庵居士の腰のあたりまで伸びて、葉の巾は手のひらを開いた程にもなるので、すっかり隠れて咲いていたのだった。
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葉を掻き分けて見ると、既に何段かに花が重なって咲いていた。
白い花の様に見えるのは苞葉で、その下に黄色の口を開けているのが花だ。何段かに咲き重ねるので、かなりの期間に亘って愉しませてくれる。春ウコンはピンクの花を咲かせるお洒落さんだ。
熱帯アジア、印度が原産地で、根を乾燥させて黄色の粉にしたのが、カレー粉の原料だ。肝臓に効く生薬としても利用されるので、虚庵居士も一頃試用したが、苦みがかなり強いので長続きしなかった。
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わぎ妹子の素っ頓狂な声を聴き
初めて知るかなウコンの開花を
葉隠れに咲きたるウコンは白妙の
衣をまといて笑みぞこぼれぬ
久方に出会う鬱金の花なれば
大葉を掻き分け久闊いやしぬ
秋を経て鬱金の根をば掘り出だした
昔を偲びぬ ほろ苦きをも
人々の愛ずるは花かやほろ苦き
カレーの粉かや秋の鬱金は
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