「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「鹿苑寺の裏庭」

2007-01-28 15:31:35 | 和歌

 京都・鹿苑寺では金箔を張りめぐらせた舎利殿の、絢爛たる佇まいが余りにも有名であるが故に、殆どそれ以外について紹介されないのは残念だ。





 参道和総門の内には、逞しく根を張った「一位樫」が迎えてくれるが、古色蒼然たる風情には眼を奪われる。また、裏庭の苔むす松林では、絣の仕事衣とモンペ姿のオバちゃんが、晒しの手ぬぐいで「姉さん被り」をして、黙々と仕事をしていた。竹を細く削って作ったしなやかな熊手で、苔を傷つけないように細心の気くばりをしつつ、松葉を掻いていた。苔むす松林をいたわる彼女等の想いとその姿は、足利義満の時代から少しも変わっていないのではなかろうか。

 更に歩を進めれば、庵に連なる枯山水に、絶えることない清流を観る思いがした。苔むす一位樫と言い、松林といい、或いは枯山水にも古人の見事な精神性が窺がえる。名もない人々によって営々と守られてきた庭園は、金閣舎利殿をも凌ぐものを語りかけているようだ。

 六百年の歳月を越えて、ひたすら落葉を掻き、苔をいたわり、自然の美しさを見事なまでに惹きだし、風情を守ってきた人々の思いを、噛みしめたひと時であった。






             金箔の煌めく舎利殿めぐり来れば
 
             松葉掻きおり苔をいたわり



             生す苔はながらふ命にあらねども
 
             松葉掻く人の思いを酌みにし



             水のなき枯山水に流れ観て 

             せせらぎ聴くかないにしえ人はも





 

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3 コメント

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春ですね・・・♪ (お~どりん)
2007-03-11 08:01:27
虚庵さま
お久しぶりです
お元気でしょうか?

すでにキャメロン君も帰られて
寂しい毎日をお過ごしではないかと

畑にはまだ雪がありますが
例年より早く春を感じさせるこの頃です

昨年・・ご指導を頂いたワインですが暮れにはヘンな泡が
たぶん失敗したのかと
あれは発酵していたのですね(^^;)
今、見てみました
ビンの下には沈殿物がありますが・・・
もしや成功かも

ちょっと試飲・・
酸味があって美味しいとはいえませんが
失敗ではないみたいです
我が家の葡萄が適していないのかもですね

以上・・ご報告いたしま~す
返信する
醗酵の「アブク!」 (虚庵)
2007-03-13 00:52:19
お~どりん 様

すっかりご無沙汰しております。

時間に追われる毎日で、ブログ更新がままならず、
お訪ねくださる皆様の数えつつ、毎日毎日、大勢の
ご訪問者に申し訳なく思っております。


思いもよらぬ「密造ワイン」のご報告に、思わず
舌を嘗めました。 
アブクは醗酵のシンボルです

「澱・おり」はそっとしておきますと、やがて
酒石酸と一緒になって、底に落着きますので、
ご安心下さい。 

酸味が勝っているようですので、「砂糖」を若干
追加して、暫らく様子を見てください。
その際、室温を20度程度に保つと二次醗酵して
アルコール度が更に上がり、ドライになります。


砂糖の量を増やしてもアルコール度数は
14%程度を超ないので、砂糖が多過ぎると甘味が
そのまま残ります。少しづつ加えて、2・3日後に
試飲して程度を加減してください。
オイシイ「お~どりんワイン」に仕上がる筈です
 

近くでしたら、試飲に飛んでゆくところデスが、
「お~どりんワイン」の味とブーケを、
想像しつつ横須賀からカンパイ 

Cameron は、メールにて「お絵かき」を送って
呉れるので、虚庵ジジは「ごへんじ」を書くのが
楽しみです。 

返信する
お元気でなにより(*^_^*) (お~どりん)
2007-03-14 00:34:50
虚庵さま~

真冬のような猛吹雪の1日でした。
早速少しの砂糖を入れてみました
あ~ぁ失敗だった!と捨てないで良かった~

2~3日たったら味見して・・・
楽しみで~す
もし!上手に出来たら今年も

これって“密造?”
ぜひ!「お~どりんワイン」を
飲みに来て下さ~い
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