「うつろ庵」のガレージ脇の「茱萸・ぐみ」は、小さな実が赤く熟して鈴生りになった。
今年は例年になく数が多かった。 実は小粒だが、赤く熟した実を口に入れると、
とろける様に実が潰れて甘みが口にひろがり、薄皮の渋みと併せて独特な味わいがある。口に残った種を思い切り飛ばすのが、子供の頃の楽しいお遊びだった。
実を摘んで、ジャムを作るのが毎年の虚庵夫妻のお愉しみであるが、木の枝から一粒づつ摘み取るのは難儀を極める。そこで、枝の剪定を兼ねて枝ごとに穫り入れ、テラスの机で摘果作業をするのだ。 虚庵夫人とお喋りを愉しみながら摘果し、大鍋に8リットルほどの収量であった。
この先のジャム作りには、強い握力が必要なので、専ら虚庵居士が担当することになる。「ジャム作りに、強い握力」?? 順次ご説明しよう。柔らかく熟した茱萸の果実は、素手でいとも簡単に潰せるので、大鍋の中は果肉でとろとろになる。とろとろになった果肉を素手で握ると、沢山の種と薄い渋皮が掌に残る。そこで握力を強めて、茱萸ジュースを残らず絞り出すのが「強い握力」の勘所だ。
この様にして絞った茱萸ジュースに砂糖を加えて煮詰め、「うつろ庵」独自の「茱萸ジャム」が完成した。酸味が適度に残り、渋味はごく僅かな高品質のジャムが、孫のCameron君や璃華ちゃんの来訪を待っている。 ジャムとしても「ホッペが飛びそうな美味しさ」だが、ジュースとしても大好評だ。
車庫入れのバックミラーにグミの実の
熟した粒々 「おかえりなさ~い!」
たわわにも熟したグミは陽に透けて
食べてたべてとせがむ風情ぞ
一粒を摘まめばグミは柔らかに
早や つぶれんとして口に含みぬ
グミ食めばとろける甘さと微かなる
渋さもうれしき小粒の味かな
たわわにも赤く熟した茱萸の子らの
思いを頂きジャムに留めぬ
孫たちのキャッキャと喜ぶ声聞かむ
グミジャム食べて共に遊ばむ
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