「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「水仙の日時計」

2013-01-27 00:05:37 | 和歌

 全国的に寒さが厳しい今年は、早春と云うには未だ間がある感覚だが、自然の世界では日一日と時の移ろいが見られる。

 三浦半島でも久しぶりに吹雪に見舞われたが、そんな気候でも水仙が咲いた。
「うつろ庵」からの散歩の範囲は知れてるが、水仙の開花は随分とバラツキ、例年に比べてほぼ半月程度は、開花が遅いようだ。寒風の吹きすさぶ場所、風が遮られて陽だまりになる場所など、様々な条件の差があるので、開花の時期は一様ではないが、おしなべて今年はだいぶ遅いようだ。

 水仙の日時計はこんな寒波の中でも働いているから、感服の限りだ。気温の変化を感じるのであれば、寒さが厳しい昨今の開花指令は、「待てまて」であろう。水仙の日時計には、カレンダーなど存在する筈もない。残りの可能性は、日照時間の変化を感じ取っているのかもしれない。小さな球根と細長い緑葉の水仙には、高度な観測装置やIC回路が備わっている訳ではないのに、どこでどの様に日照時間の変化を感じ取り、気温の変化とどの様に調和を取っているのだろうか。

 水仙をはじめ、諸々の生物のもつ計り知れない超能力の素晴らしさを、改めて思い知らされた虚庵居士である。

 


           吹雪舞う寒波もものかわ水仙の

           初花咲きぬ 春も間近か


           水仙の二輪の花は語るらし

           清楚な姉妹か寄り添ふ姿は


           水仙の何処に秘めるや日時計を

           球根稚けく緑の直ぐ葉に


           凍てつける大寒なれども笑み湛え

           会釈するらし散歩の爺にも







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