「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「小菊の季節-その4」

2013-11-18 13:10:11 | 和歌

 小菊には、花の咲き方がユニークな種類も数々あるようだ。

 今回の小菊は、花の咲き方がどこか風車の形に見えるところから「風車菊」と呼ばれているようだ。黄色の花芯の周辺の花冠は白い管状で、先端の匙弁の部分だけが赤いので、一輪毎が見事な風車になっているではないか。

 何処の何方かは知らぬが、凝りに凝ってこのような小菊を創りだしたご仁にとっては、掛け替えのない歓びだったに違いない。

 小菊に限らず、花の品種改良は気の遠くなるような年月の積み重ねが必要だ。
花の交配の結果は、最低限でも次の年の開花を待たねばならぬ。一度に幾種類もの交配をして、次年度にはその中から数種を選りすぐって、再び交配を重ねるのであろう。 結果を予測できない、そんな努力の積み重ねの末に、突然変異で生み出された品種かもしれない。

 小さな菊の花ではあるが、想像を絶する努力と研鑽の「賜物」なのであろう。 
このブログでは、菊花展覧会などの表舞台の花ではなく、殆どが散歩途上の路傍の花との交流のご紹介であるが、殆んど手入れもされずに咲く小菊に、こころ痺れる
虚庵居士である。 




           なんとまあ粋に咲くかなこの小菊は

           可憐な風車を花に写して


           金色の蕊の周りにしろ冠を

           さじ弁赤きは風車の羽根かな


           何処の誰 創りいだせし小菊かな

           気の遠くなる年月重ねて


           小菊観てこころ痺れる爺なるも

           創りし人の歓喜をおもほゆ







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