「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「春ウコン」

2009-07-03 01:06:00 | 和歌

 近所にお住まいの友人から、「ウコンが咲きました!」との、弾んだ声の連絡があった。

 横須賀あたりでは殆どお目にかかれない花ゆえ、虚庵夫人を伴って過日お伺いした。ピンクから根元の薄緑までのグラデーションが、なんとも見事な色合いで、「春ウコン」に暫く見惚れた。
ウコンの本当の花は、ピンクのフリルの一つづつから間もなく顔を出すことであろう。その頃にまた見せて貰いたいものだ。

 「ウコン」は元来、南方系の自生植物ゆえに、関東あたりではなかなか花を付けないと云う。
詳しいことは知らないが開花の可能性は、30株に一つ程度とも云われているので、大変ラッキーな出会いであった。

 かつて「うつろ庵」の庭に植えたウコンの根茎が、殊のほか増えたのでお裾分けしたことがあったが、友人はそれ以来、花の咲くのを楽しみに丹精を凝らして来た。なかなか花が付かずに、気楽に差し上げたものの聊か自責の念にかられていた。或は、ウコン根茎を買い足したかもしれないが、見事な花を見せて頂いて、正直のところホッとする思いだ。





             石くれもいとわず咲くや春ウコンは

             大地の女神の化身ならむか


             七重八重うち重ねたる衣手に

             やがて抱ける御子等にまみえむ




 沖縄辺りではピンクの春ウコンが4・5月、白花の秋ウコンは7・8月ころに咲くと云われている。しかしながら、「うつろ庵」で嘗て咲いた秋ウコンは、10月中頃であったことも併せて考えれば、友人宅の春ウコンが2ヶ月ほど花時がずれたのは、寒暖の差によるものかもしれない。

 ブータンに駐在していた友人が、嘗て春ウコンの花の写真を送り届けて呉れたことがあった。その春ウコンも、花だけが地中から直接咲いていて、葉は未だ芽ばえたばかりであった。ブータンは標高300メートル程度の高温多湿の平地から、ヒマラヤ山中の寒冷地まで気候の落差が激しい国だ。
横須賀の友人宅の春ウコンは、葉は既にかなりの大きさに成長していたが、これもまた気候の違いによるものであろうか。





             身に良しと聞きてウコンを育てしが

             花に恥じぬる 思いの不純を







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