峠を越えて小径を下っていたら、頭の上の生垣に「白侘助」が咲いていた。
腕を伸ばし、爪先立って写したので、ピントの調整も侭ならならぬ撮影だったが、
一輪だけ咲いていた姿だけは何とかカメラに収められた。
帰宅して画面を確認したら、些かピンボケ気味であったが、ご勘弁願いたい。
冬の寒さが厳しい時節の花は山茶花が定番で、「白侘助」は数が少ないようだ。
茶人などは好んでこの椿を庭に植え、初釜などに際して自ら一枝を摘み取って、茶室にそれとなく飾るのであろうが、メジロなどの小鳥にとっても、掛け替えのない花蜜の供給源だ。この時節の椿の花にとっては、小鳥が残した傷跡は、ある意味では勲章のようなものだ。この白侘助の花びらに幽かに残る傷も、多分、メジロの痕跡・勲章かもしれない。
虚庵居士の「うつろ庵」には白侘助が無いので、散歩の途上であれこれ推測しつつ愉しませて貰った。
山路来てふと見上げれば生垣に
一輪咲くかな白侘助は
いと高き白侘助を写さむと
爪先立ちて腕を伸ばしぬ
ただ一輪生垣に咲く白侘助の
凛たる姿に心を偲びぬ
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