谷戸道の脇に、枯れた「風船蔓」が揺れていた。
久しぶりに訪ねた谷戸道は、かなり急勾配だった。下を向いて一歩一歩登って来たが、息が切れてチョット立ち止まって休んだ。ふと目を上げたら、眼の前に風船蔓がぶら下がっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/77/daa19b78868223744d2cef32c28c1485.jpg)
谷戸の住いには興味深いものがあるので、散歩のコースの一つに選んで時々訪れる 谷戸道だ。
近くに迫った山の雑木林は、季節の変化に敏感に呼応して、目を愉しませてくれる。
住み人にとっては、掛け替えのない借景に 違いあるまい。
そんな山の自然に溶け込むかのような、
飾り気のない風船蔓だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/b5/3705b54a1888c2dd4ae62561d4a7f0ba.jpg)
自然に恵まれた谷戸の住いは羨ましい限りだが、日常生活の町への買い物など、谷戸道の上り下りはさぞや大変であろう。若者にとっては何ら苦もない谷戸道だろうが、年寄りにはかなりの負担に違いあるまい。
枯れた「風船蔓」に、住み人の老齢が案じられたのは、己がそんな老境に足を踏み入れたということであろうか。
久方に谷戸道たどれば息切れて
脇の枝葉に助けを求めつ
立ち止まり息をつくかな 見上げれば
風船蔓のご挨拶かな
ジャングルか 風船蔓の絡みには
真夏の緑の 「涼」をしのびぬ
谷戸道の雑木林に溶け込むは
飾り気なしの 風船蔓ぞ
ひっそりと暮らす姿をおもふかも
谷戸の住いの老いたる夫妻を
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます