「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵の降雪」

2014-02-09 01:38:54 | 和歌

 関東地方の二月八日の降雪は、テレビ報道によれば二十年ぶりの大雪だという。
横須賀では例年ほとんど雪を見ないが、久方ぶりの降雪に身震いする一日だった。



 信州・諏訪に生まれた虚庵居士の 冬は、謂わば雪の中の毎日であったが、久方ぶりの降雪を観て、何やら興奮気味であった。

 朝寝坊の虚庵夫妻が目覚めた九時過ぎ、戸外が余りに静かなのを訝りつつ、雨戸を開けて愕いた。 既にうっすらと雪が積もっているではないか。

 遅い朝食を摂っていたら、前のお宅の屋根から積もった雪がすべり落ちた。
はしたない事ながら、食事中ではあったがカメラを構えた。 が、機敏さを欠いたじじには、落雪の様子を撮れる筈もなかった。



 うつろ庵の庭先の「やぶ椿」は、例年になく花数が多いが、小鳥たちは降りしきる 雪もなんのその、椿の花蜜をせっせと吸っていた。椿を丸く刈り込んだ内側は、小枝を払い鳥籠の様な仕立てにしてあるのも、小鳥たちにとってはお気に入りであろう。
そんな小鳥たちの姿を写せないのが残念だ。

 夕暮れになっても降雪は止むどころか、風の勢いもいや増して吹雪の様相だ。
このまま降り続いたら、明日の朝はどれ程の積雪になるのだろうか。

 一昨日、衆議院員会館でさる国会議員さんと面談して、エネルギー基本計画に 
関連した意見交換をしたが、先の見えない我が国のエネルギー戦略の不透明さと、吹雪の夜の景色が重なって、暗澹たる思いであった。 しかしながら古語に曰く、
「雪の明日は裸で洗濯」と。 即ち、大雪の明日は晴天になるから、希望を持てとの励ましの言葉だ。

 古語を胸に、我が国の明日のエネルギー安全保障の確立に夢を託したい。




           目覚めれば余りに音無き世界かな

           雨戸を開ければ うす雪積もりぬ


           降りしきる雪をめでつつ朝食を

           摂れば屋根から 落雪の音


           テレビでは二十年来の大雪と

           列車・飛行機 運休伝えぬ


           雪降るも構ふことなく小鳥らは

           椿の花蜜求めて已まずも


           夕闇に吹雪となれば明日しれぬ

           日本の戦略 重ねて思ひぬ


           古語に曰く 「雪の明日は裸で洗濯」 と

           日本の明るい明日を夢みむ







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