川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

「大切なもの」は失われてはいなかった。コンフェデ杯決勝に思う

2005-06-30 06:18:24 | サッカーとか、スポーツ一般
 ブラジル対アルゼンチン。
 世界大会の決勝でははじめての組合せだそうな。
 
 どんなにすごい闘いになるのだろうと思っていたら、あっけなく決まった。
 ファンタスティック4の最高のファンタジー。
 アドリアーノ、カカ、ロナウジーニョ、アドリアーノ!
 
 やっぱりアドリアーノは新しい怪物。
 ロナウドの体に、ロベカルの左足というかんじだ。まともにヒットすると、ボールが爆発したような音を出す。左サイドからノーステップの強力なサイドチェンジをシシーニョに送った瞬間はロベカルだったし、ゴール前の混戦を軽やかに抜け出す瞬間はロナウド。
 ロナウジーニョのサイドボレーは、あまりにもさりげなくて凄みもへったくれもなくて、当たり前のゴールに見えた。シシーニョからのクロスもよかったね。コンパクトなアウトスイングからどんぴしゃりと来る。
 
 この試合でも、みせてくれたのは、バイタルエリアでの究極ボール回し。
 このエリアのプレッシャーの中でボールを失わない。カカの得点は、そういうボール回しの中で、最後に生まれたもの。
 
 ジーコのやりたいサッカーってのはこういうことなのかとよく分かる。
 もっと浅い位置では、日本代表もこういうパス回しができることがある。そして、振り回された相手が破綻を見せた瞬間をついていくのが、ブラジル風なんだろう。
 
 試合が終わって、すごく熱くなった。
 モダンサッカーでは失われたとされる、大切なものが実は失われてはいなかったんだという感覚。
 具体的に言うとヨハン・クライフにやられた時のブラジルをもって、「楽しい攻撃サッカー」は終わったのだと思うのだ。そして、スペースのつぶし合いを基調としたモダン・サッカーが始まった。
 
 でも、まだまだやりようはある。
 たとえば、プレスに対抗するキープ力や、判断の速さが研ぎ澄まされれば、モダン・サッカーを無効化できる。今回のファンタスティック4は、そのあたりを証明して見せてくれたわけである。
 
 ほんと楽しそうだなあ。得点が決まるたびに4人で歓んでる姿がなんともいえない。
 
 日本がこうだったらいいなという理想型がここにあり、当面のモデルとしてはメキシコの存在が目に焼き付いた。そんなコンフェデ杯でした。
 と一気に大会の総括をしてしまうのだった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。