Jess : Automated Japanese Essay Scoring System
朝日新聞でも紹介されて有名になったJess。
小論文の自動採点システムであります。
字数制限が3000字なので、小説は採点してもらえないのが難点。
そこで、何年か前に書いたエッセーを入力してみました。
採点のためには「回答」だけじゃなくて、「質問」も必要なので、それはでっちあげて、「スチームパンク」について書いた文章をそのままぶち込み、「実行」。
Jess 評価結果 (id=94)
修辞 4.5 ( 5 )
漢字の使用が少ないように見受けられます。
論理 2.0 ( 2 )
内容 1.4 ( 3 )
質問文との関係が希薄であるように見受けられます。
分量過少による減点 0
最終得点 7.9 ( 10 )
どうでしょうね、十点満点中の7.9。悪くはないか、な。
しかし、漢字、少ないかなあ?
あと、エッセイなのに、カリカリに論理的ってのは、ある意味ショックかも。
質問と回答は、コメント欄にのっけておきます。
回答文
先月、サイバーパンクのことを書いたので、今回はスチームパンク。サイバーパンクの盟友、ギブスンとスターリングの共作『ディファレンス・エンジン』が有名だ。舞台は、19世紀の蒸気機関技術が究極の形にまで進化したイングランド。蒸気タイプライターや蒸気映画をはじめ、チャールズ・バベッジの階差計算機(る、ディファレンス・エンジン)(蒸気機関で駆動された、プログラム可能な計算機。実在した)も実用化されている。やがて、それが巨大化、複雑化し、自意識を持つに至る。つまり「もうひとつのサイバーパンク」というわけだ。
今やディープな一大ジャンルだ。アメリカではネット上で独自のスチームパンクを公開するサイトがいくつもあるし、日本でもテーブルトークRPGの『蒸気爆発野郎!』(http://yuk.net/steam/)を発見した。一見、単発の小説ネタでおしまい、という気がするのだが、それでは済まない普遍的な魅力が「究極の蒸気機関」にはあるのだろう──と、思っていたところ最近、ある発見をして愕然とした。
今、日本の幼児たちの半分以上が、スチームパンクにかぶれていると言ったら信じてもらえるだろうか。でも、本当だ。
つまり、『機関車トーマス』である。
イギリス本島とマン島の間に浮かぶ架空の「ソドー島」には、トーマスやパーシーなど、お喋りをする素敵な機関車が住んでいる。彼らは、自意識があるどころか、嫉妬もすれば喧嘩もする。高度な蒸気機関AIが実現した(たぶん)、スチームパンクな世界なのである。今、2歳半の息子やその「お友達」は、男の子でほぼ100%、女の子でも若干名、トーマスに夢中になっている。つまり、幼児の「半分以上」。
たまたま子供が幼児期にあたる親でないと実感がわかないかもしれない。権利元のソニークリエイティヴに勤める知人によれば、「2歳から5歳の間に夢中になって、その後、卒業してしまうキャラクター」だそうだ。日本への紹介は一九七〇年代なかばなので、その時、すでに幼児期を脱していたぼくの世代は、子供を持ってはじめてトーマスと出会ったのである。
そして、ぼくは、息子と一緒にはまった。意外や意外、奥深い。ソドー島の設定はしっかりしていて、どの支線に行けば、誰(機関車)に出会えるか覚えるのに夢中になった。お気に入りは山間にある狭軌支線のスカーロイやリーニアス。台頭してくる効率的な内燃機関の列車(ディーゼル)の影におびえつつ、誇りを持って「蒸気道」に邁進する彼らの姿は、一種の文明批評にすらなっている。というと穿ちすぎか。
結局、スチームパンク、究極の蒸気機関の物語は、人の子供心(幼児心?)を刺激してムズムズさせてやまない部分で、ジャンルとして花開いたのだろう。1991年、ロンドンの科学博物館によって、バベッジの「階差計算機」(重さ3トン!)が再現された。息子にはまだ理解できない。でも、いつ彼に「蒸気のコンピュータ」の話をしてあげられるか、今からムズムズしている。
修辞 3.4 ( 5 )
長すぎる文があります。
漢字の使用が少ないように見受けられます。
埋め込み文が全体の分量に比べてやや多いように見受けられます。
連用形や接続助詞の句の並びの多い文が、幾つかあるように見受けられます。
長くて難しい語がやや少ないように見受けられます。
論理 2.0 ( 2 )
内容 2.5 ( 3 )
分量過少による減点 0
最終得点 7.9 ( 10 )
実質的に、やっぱり文章下手だって言われてるのでしょう。
でも、ま、7.9もありゃ嬉しいです。
結果、総合点は同じ。
これは、職業作家の面目躍如ととらえるべきであろう。
なにしろ、内容がないのに、同じ点とってるんだものね。
やった、ね。
いや,自分のできあいの文章を入れてみたら5点くらいしかとれなくて悔しかったので。
どうやら、ある程度分量があれば、説明文やルポのような論理的だけどニュアンスのない文章のほうが、へたすると得点がいくような…。って、攻略法考えてどうする。
というか、そいういう社会にすみたくない。