川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

屋上のとんがり帽子

2011-05-25 12:02:42 | ひとが書いたもの
屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集)屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2008-01-20
2008年の出版だから、きっと今のニューヨークでも同じなんだろうか、と思うと不思議な感覚にとらわれる。

1997-98にマンハッタンに住んでいた頃、ぼくはすっかりこんなのに気づいていなかったよ。
でも、視点を変えると、きっとあちこちにあったんだね。

とんがり帽子は給水塔・給水タンク。
ただし、金属製ではなくて、古くからの木製。
実は金属よりも、ずっと丈夫で長持ちで、「水がおいしい」のだそうだ。

夏・冬の気温差とか、ニューヨーク独特の気候条件も、木製が有利な条件らしい。

しかし、良い写真だなあ。
この写真絵本、紹介したくなった次第。だって、中2の息子とぼくがそれを見ながら、ああでもないこうでもないと議論が始まっちゃうような広がりがあるんだよ。
素敵だ。

なお、ぼくのニューヨーク時代の経験は、2冊のノンフィクションと1冊の小説にぶち込みましたが、「動物園にできること」と「リスクテイカー」(小説)は今も文庫として手に入るのに、「緑のマンハッタン」は残念ながら絶版です。
これ、なんとかしたいなあ。

なお、中古でやすーく買えるみたいてのが、かろうじて救い(?)か。
緑のマンハッタン―「環境」をめぐるニューヨーク生活(ライフ)緑のマンハッタン―「環境」をめぐるニューヨーク生活(ライフ)
価格:¥ 1,800(税込)
発売日:2000-03


と紹介したところで、むかしのいやーな記憶が。
Amazonの紹介ページで、ブックレビュー社なる紹介者が、本の紹介文を書いている。

*********
ニューヨークのもうひとつの顔。それはセントラルパーク,ハドソン川にあふれる自然の息吹
ニューヨークには世界中のあらゆるものがある。ニューヨークなら何でもそろう。情報の発信源であると同時に,それらを加工する技術にもたけた街。それがニューヨークの表の顔である。
そしてもうひとつは,世界中からやって来る人々を簡単に飲み込む懐の深さ。豊かに繁茂したサトウカエデやオークの森など,瑞々しい湿地に覆われたマンハッタン島の姿もイキである。だから,ニューヨークでは何が起こっても不思議はない。
著者は1997年の8月から98年7月にかけて,ニューヨークはコロンビア大学に研究員として在籍。そこで垣間見た環境保護活動家たちとの「人間以外」の生命をめぐる価値観や活動について真しに詳述した。つまり,体験的米国文明論の趣もある書である。

とはいえ,決して肩肘張って読むべきではない。著者自身が経験した「知的スリル」やおびただしい数のジレンマ,そしてちょっとばかりの生活上の冒険が満ちているからだ。予備知識は要らない。奇人変人の類の登場に驚かない心の準備はしておこう。
(ブックレビュー社)

*********

この紹介文は、今読んでも胸が痛む。
というのも、これを書いた人、よほどたくさん紹介業務があったのか、本の「はじめに」しか読んでいないのがあきらかなのです。

「はじめに」を読みそこに自分自身のニューヨークについてのイメージを合成し、こう書いておけば、外れていないだろうというふうにして書いた紹介。

結果、こういう本ではありませんから。

ぷんぷん。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ぷんぷん。 (アオキ)
2011-05-25 19:04:07
そういうのってそうですねえ激怒でもなく、
なんというか…適切な態度は…
やはり「ぷんぷん」ぐらい。ですね。
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まさに、ぷんぷん、としか。 (カワバタヒロト)
2011-05-26 00:13:18
当時、Amazonにクレイムする窓口もなかったかなあ。
あっても面倒なのでクレイムしなかったかもしれないかも。
その程度なり。
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たまにありますよね。 (Poisonous_Radio)
2011-05-26 07:04:09
帯の推薦文やあおり文句が内容と食い違うやつ。
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金属の味とかコーティングの味ってあると思うので... (中澤)
2011-05-26 14:03:48
『緑のマンハッタン』は,以前,絶版になったときに,このブログで
http://ttchopper.blog.ocn.ne.jp/leviathan/2004/12/post_66.html
エントリがあったことを思い出しました(あのときコメントしたURLのサーバは既に消滅しているので,ぼくの書評? は,現在書き込んでいるこのコメントの名前のところに移しました)。あのとき引き取られた60冊は無事にはけたのでしょうか。
当該ブックレビュー社の紹介文は,最近読んだ豊崎由美『ニッポンの書評』(当日のメモ:
http://phi.med.gunma-u.ac.jp/memo2/20110513.html
)のpp.164-165で「そういう輩を優れた書評家とは思いません」としてバッサリ批判されているタイプの一類型ですね。プロでもそういう仕事をしてしまうことがあるんですねぇ。
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帯の文句は、編集者が内容知った上でやっているわ... (カワバタヒロト)
2011-05-26 22:09:41
で、60冊は無事にはけました。
この件、話題するのは二度目だったわけですね(すっかり忘れてた)。>中澤くん
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