川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

やっと「チャーズ」を読んだ

2011-03-15 18:05:09 | ひとが書いたもの
〓子(チャーズ)―出口なき大地
価格:¥ 1,029(税込)
発売日:1984-01
遠藤誉氏の別の本を読んでからずっと読もうとしつつ、入り口で挫折していた。
でも、旅先にもっていったら一気。

それにしても、壮絶な話だ。
国民党と共産党の両軍にらみ合いの中で、棄民状態となった難民たち。
なにかとてつもなく大きな歴史の力の中で、真空状態におかれ、いっさいの人間性を剥奪されてしまうような強烈な空間で、先に餓死した人たちの上で寝食を余儀なくされ、自らも衰弱していくというような経験は、たしかに「蓋」をしたくなる。

中国正史の中では「長春解放」として知られる事象の背後に、こんなことがあったとは……。

自らの「蓋をしていた」記憶の封印を解き、史料を探し、また、「チャーズ」を生きのびたサバイバーを捜し、そもそも、あの悲惨な事態が実在したことであったのかというレベルから解き明かし、まとめきった執念に圧倒されっぱなしだった。

パズルのピースをすべてはめたと思った瞬間、すべてが飛び散るような落としどころは、観念的ながらすごくよく分かる。

続編がある。それも読む。

なお、遠藤氏は、この本↓ではじめて出会った著者。物理学者なのだが、特異な体験から中国関連の著作が多い。
中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす (NB online books)中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす (NB online books)
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2008-01-31


これも大変な本で、お奨めできる。以前、簡単なレビューを書いた。
http://blog.goo.ne.jp/kwbthrt/d/20080330


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