「動物園から未来を変える ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン」の内容紹介。
やっと出ます。
長いこと「作業中」「カミングスーン」「もうすぐ」と言い続けてきたWCSの本田公夫さんとの本が本当に本当に出ます。もう予約が始まっています。といいますか、今週中に書店に並び始めます。
書影もお見せできます。
写真はブロンクス動物園の「マダガスカル!」のもので、撮影は本田さんです。
帯にはこんなふうに書かれています。
ただ「動物を見せて終わり」じゃない。
メッセージを伝えなければ──
世界を驚かせた革新的な展示の数々は、
どのように作られているのか
動物園の展示デザインを手がける日本人デザイナーの仕事に迫る
なにやら、究極の「お仕事もの」の雰囲気が漂っているかと思いますが、内容はまさにそのとおりです。
知らない人のために簡単に解説すると、本田公夫さんは、今、北米の動物園業界に勤務する、おそらくは唯一の日本人です。すでに20年近く、アメリカのトップ動物園であるWCS(Wildlife Coservation Society ブロンクス動物園やニューヨーク水族館などを運営)の展示部門に勤務しており、かずかずの展示を手がけてきました。
動物園界では「この人あり」と知られる本田公夫さんの仕事を、一般書ワールドで「はじめて」ちゃんと紹介することができた(ものども、刮目せよ!という気分)、いとう意味でとてもやりがいがある仕事でした。
また、自分のキャリアの中で、20世紀末、取材の拠点にさせてもらったブロンクス動物園について、当時、はっきり理解していなかったことも含めて「その後」まで描け、宿題を提出できた気分です。
章立てを記しておきます。
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序章 20年後のブロンクスから
第1章 21世紀の動物園を考えるために知っておくべきこと
第2章 「コンゴの森」に分け入る
第3章 動物園ボランティアから動物園プロフェッショナルへ!
第4章 マダガスカル!
第5章 その門口を超えて〜愛と行動について
終章 日本の動物園から創る未来
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章題から内容を推し量ることは難しいかもしれません。というのも、本田さんが普段していることというのは、日本の動物園の展示を作ることや来園者に訴求する様々な努力として知られるものとは、ちょっと次元が違うからです。
話を伺っていて、マジか、そこまでやるのか、というようなことが何度も何度も出てきました。キーワードだけでも書くと、「まずはビッグアイデアを掲げる」「統合的なプロセスでランドスケープから解説展示まで継ぎ目なく」「脚本家である展示デベロッパーの起用」「事前評価、中間評価、結果評価」「動物園で得られる自然体験についての考察」「自然の中での遊び(nature play)」などなど。
ひとつでも気になるものがあったら、読んでもらってまったく損はないですよ。本田さんがおよそ20年にわたって、切り開いてきた視野が、あなたのものになります。すごくお得です。
というわけで、強力プッシュ! 我ながらすごいもの書かせていただいたものだ!と打ち震えておりますがゆえ。