これは動物園やら環境保護関係の人限定の情報かもしれないけれど……。
今「動物園にできること」を、文庫化のために読み直していて(あたらしい章を書くので)、「エコフォビア」が気になった。
「エコ・フォビアという言葉を知っている?」と彼女は聞いた。
残念ながら聞いたことがない言葉だった。
「例えば子供の頃に性的な虐待を受けた子供は大人になってもセックスが好きになるわけではなくて、逆に性にかかわるさまざまなことに恐怖を持つようになるでしょう。もしも、動物について、あるいは生態系について、怖い話を聞かされ続けた子供はそのことを咀嚼できず、逆に目を背けてしまったり、無力感にさいなまれたり、過剰に怖がってしまったりすることがあるのね。特に熱帯雨林の破壊みたいに子供たちにはどうしようもないことを教えられるとその傾向が強くなるの。それをエコ・フォビアって呼んでいるわけ」
ってくだりなんだけれど、これって、実は「動物園にできること」の中で紹介できた最重要な概念じゃないかと思うことがある。あの後、この概念は誰かが発展させたり、一般化したりしたのだろうか……。
検索してみて、David Sobelという人物がかなりいろいろ考えていることが分かる。
リンク: beyond ecophobia By David Sobel.
また、この人物は、こういう本も書いている。
リンク: Amazon.com: Books: Beyond Ecophobia: Reclaiming the Heart in Nature Education (Nature Literacy Series, Vol. 1) (Nature Literacy).
でも、それ以外にはあまり一般的な用例をみないので、やはり今もマイナーな概念なのだろう。
アメリカ人には分かるまい、というような気もする。
とにかく、まず自然との間に情動的なつながりがないとなんにもならんのだというのが大事。
いきなり、環境関連の情報を子供に詰め込んでも仕方あるまい。
これって実は、「オランウータンに故郷のもりを返す日」の反省でもあり、「サボテン島のペンギン会議」で留意したことでもある。
動物園もエコ・フォビアを生み出すのではなく、人が生き物との情動的な絆をまず形作るところとして機能すればよいとつくづく思う
今「動物園にできること」を、文庫化のために読み直していて(あたらしい章を書くので)、「エコフォビア」が気になった。
「エコ・フォビアという言葉を知っている?」と彼女は聞いた。
残念ながら聞いたことがない言葉だった。
「例えば子供の頃に性的な虐待を受けた子供は大人になってもセックスが好きになるわけではなくて、逆に性にかかわるさまざまなことに恐怖を持つようになるでしょう。もしも、動物について、あるいは生態系について、怖い話を聞かされ続けた子供はそのことを咀嚼できず、逆に目を背けてしまったり、無力感にさいなまれたり、過剰に怖がってしまったりすることがあるのね。特に熱帯雨林の破壊みたいに子供たちにはどうしようもないことを教えられるとその傾向が強くなるの。それをエコ・フォビアって呼んでいるわけ」
ってくだりなんだけれど、これって、実は「動物園にできること」の中で紹介できた最重要な概念じゃないかと思うことがある。あの後、この概念は誰かが発展させたり、一般化したりしたのだろうか……。
検索してみて、David Sobelという人物がかなりいろいろ考えていることが分かる。
リンク: beyond ecophobia By David Sobel.
また、この人物は、こういう本も書いている。
リンク: Amazon.com: Books: Beyond Ecophobia: Reclaiming the Heart in Nature Education (Nature Literacy Series, Vol. 1) (Nature Literacy).
でも、それ以外にはあまり一般的な用例をみないので、やはり今もマイナーな概念なのだろう。
アメリカ人には分かるまい、というような気もする。
とにかく、まず自然との間に情動的なつながりがないとなんにもならんのだというのが大事。
いきなり、環境関連の情報を子供に詰め込んでも仕方あるまい。
これって実は、「オランウータンに故郷のもりを返す日」の反省でもあり、「サボテン島のペンギン会議」で留意したことでもある。
動物園もエコ・フォビアを生み出すのではなく、人が生き物との情動的な絆をまず形作るところとして機能すればよいとつくづく思う
ずーらしあの「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」、話には聞いていますよ。こういう取り組みがあちこちで行われるようになるといいですね。いや、だんだん行われつつあるように思います。
いずれにしても、その後の対応は分からないなあ。
先日、富士サファリパークで不幸な事故がありましたよね?
あの事件の熊たち、どうなっちゃうんでしょうか?
もちろん、事故の原因究明はきっちりしていただきたいけれど
「害獣」と報道されていたのにひっかかりを覚えて・・・
実証的な研究がないのはたぶん本当。Sobelってどんな素性の人なのか知らないけれど、あまり、調査体質(?)ではなさそうですね。
シカゴの動物園で行ったアンケート調査も「環境保護に熱心な人たちは、小さな頃に自然とふれあう体験を多くしている」ということは導いたけれど、対照群を設定してはいないみたいだし。
いずれにせよ、「出口なし」の現状や、子供には手も足も出ないような大きな問題を、ガツンとぶつけるのはちいさい子にはしない方がいいなあ、とは思っていて、その時に、エコフォビアのことも一緒に思い出す今日この頃です。
特に動物園なんかでは、つい、トラやゴリラの絶滅危機を語りたがるのだけれど、そのまえにまず、「すげえー」だったり「格好良い」だったり、時には「かわいい」でもいいので、感覚的な部分に訴えて欲しいなあと思うのですね。
に対して,
http://www.bluesky-ml.org/archives/266.html
とコメントして,[269][270][271][272]まで続きました。
概念としての重要性はわかりますし,何となく実際にそういうケースがありそうな気はするんですが,実証的な研究がないんじゃないかと,引っかかった記憶があります。