川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

「銀河へキックオフ!」ノベライズ、発進!

2012-07-05 15:40:13 | ひとが書いたもの
銀河へキックオフ! !   1 (集英社みらい文庫)銀河へキックオフ! ! 1 (集英社みらい文庫)
価格:¥ 651(税込)
発売日:2012-07-05

これはぼくが直接書いたわけではなく、アニメ「銀河へキックオフ!」のノベライズです。集英社みらい文庫からの刊行。


アニメにかなり忠実な展開になっていますが、アニメでは描けない内面描写など、金巻ともこさんの筆が冴えています。

原作「銀河のワールドカップ」がどちからかというと大人向けなのに対し、こちらは当然のごとく児童向けです。
安心して(?)、お子さんにお奨めいただけます。

さらに、ちょっと先走りますが、アニメDVDのvol1も今月内に出ますので、興味ある方はぜひ。
銀河へキックオフ!!Vol.1 [DVD]銀河へキックオフ!!Vol.1 [DVD]
価格:¥ 2,480(税込)
発売日:2012-07-25


「雲の王」をあらためて紹介します

2012-07-05 15:29:14 | 自分の書いたもの
雲の王雲の王
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2012-07-05
満を持して、久々に「本格感」のある作品を世に送ります。名を「雲の王」。つまり、積乱雲のことですね。

天気、気象って本当に不思議です。
ぼくは宇宙も大好きだけど、地球と宇宙の間にある、大気圏で起きることに感心を向けると、すごく面白いのだと、この作品のおかげで再確認しました。
スペースシャトルが夕方や未明にあがった時に見える、「成層圏の雲」なんて、その「間」をつなぐものですよね。

とか言いつつ、話の本筋は、そういうのは関係なく、気象を見る力を持った一族の物語です。
ちょっと伝奇要素が入り、またSF的要素も強い、気象エンタメ、ということで……。
ゲリラ豪雨、都市型災害、人工降雨、気象エンジニアリング、台風、といったあたりが、キーワードでしょうか。
とはいえ、空を見上げ、雲を見ることに、ある種の感慨を抱いたことがある全ての人たちに、というのが、正直な気持ち。

なにはともあれ、あらすじと目次……。

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気象台に勤務する美晴は、十代の頃に事故で両親を亡くし、今は息子の楓大と二人暮らし。
行方知れずの兄からの手紙に導かれ、母子はある郷を訪れる。
そこで出会ったのは、天気と深く関わり、美晴の両親のことも知っているらしい郷の住人たち。
美晴たち一族には、不思議な能力があるらしい。
郷から戻った美晴は、ある研究プロジェクトに参加するが……。
一族がもつ能力とは? 彼らが担ってきた役割とは?
「空の一族」をめぐる壮大なサーガ、開幕!


目次
序章 台風の目
1章 8月の世界樹
2章 月光環
3章 ナーガの雨
4章 目の壁
5章 惑星波
終章 アコウの根

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なお──
かなり長い道筋を通って、この作品は生まれました。
元はといえば、集英社の編集者Iさんが、「銀河のワールドカップ」(2005年の集中連載、2006年単行本)の後で、「次は天気やまりしょうよぉ」などと言ってくれ、「いいですねぇ」とか言いつつ、ただ時間が過ぎておりました。

しかし、その「やりましょうよぉ→いいですねぇ」は無駄ではなく、ぼくは知らず知らずクラウドウォッチャー(雲を見る人)になっていました。とりわけ、2009年~2010年にかけて、ニュージーランド・クライストチャーチに住んでいた頃は、丘の上の見渡せば空ばかりな環境にいたので、ますますクラウドウォッチャーぶりに拍車がかかり、『空や雲のことばかり考えることにきめーたー♪』(byさねよしいさこ)みたいな暮らしをしていました。

で、日本に帰ってきて、さあ書くぞ、と思ったら、なんかうまく行かず、100枚くらい書いてIさんに見せて「これちがうよねぇ」「違いますね(バッサリ)」とかなりつつ、ゼロからというのはオーバーにしても、8割方書き直したのが本書の一章になった「8月の世界樹」でした。

そこから世界が回り始めたので、本当はもっとあちこちに話がぶっとぶ連作にする構想もありつつも、一つの流れで最終的に「長編として読める」方向で隔月くらいで小説すばるに連載し、それが終わったのが、たしか去年の秋だったか。
たらたらと作業して、やっとこさ、本になったのでした。

なお、自ら「本格」と述べる作品は、それほど多くなくて、近年では2007年の「エピデミック」以来でしょうか。実は、2009年の「算数宇宙の冒険──アリスメトリック!」も、自分としては「本格」ですが、あまりに本格すぎて「超本格」になってしまった気がするので、「雲の王」は、5年ぶりの本格・川端裕人っぽい小説、だと思います。

最後に、本書の装画を描いてくださった龍神さんは、本当に偶然に龍神さんで、龍神による龍神が表紙なるなんて、実に不思議な偶然が、最後の最後に起きたことを報告しておきます。

「雲の王」よ、竜とともに、空高くのぼりたまへ!