川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

2007年の批評性

2009-01-31 21:15:21 | 日々のわざ
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子どもと観る映画として、大変楽しみました。
三丁目は、ばーばが若い頃。
バブルは、とーちゃんかーちゃんが若い頃。

バブルながら地味ーな学生生活を送っていた当時のわたくしは、こーゆー世界は垣間みたくらい、たぶんあと何歳か年上の人が、下川路世代なのかな。

お母さんが薬師丸ということでつながりのある「3丁目」がノスタルジー垂れ流しなのに対して、「バブル」はB級の香り漂う中に、一抹の批評性を盛り込んでいるあたりが、素敵。
「帰って来たら、レンボーブリッジも三本、東京タワーも三本」なんだものなあ。

あくまで2007年にこそ成立した批評性。先進諸国、新興諸国の経済成長に遅れをとるばかりの日本という認識がリアリティがあったあの頃。
でも、実際のところ、映画の設定である「借金で国が滅ぶ」状況よりも、低金利による円キャリートレードが何重にもワインドアップされていた時代。
2009年の今の公開ならもう一ひねり必要かも。

映画を見終わって、DVDの電源を落としたら、おりしも日立製作所の7000億円の赤字のニュース。
洗濯機型泡まみれタイムマシンを作った会社ですね。
平行して呼んでいた金融本は、このあたり。
金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書)金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書)
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今、金融恐慌の中で、「日本の傷は浅い」と言われるけれど、実はそんなことはないのだと書かれている。
これからじわじわ効いてくるのは、日立の7000億円ばかりではないであろう、という話。
CDSやCDOについての解説も丁寧。

こちらと併せ読むといい。
早わかりサブプライム不況 「100年に一度」の金融危機の構造と実相 (朝日新書)早わかりサブプライム不況 「100年に一度」の金融危機の構造と実相 (朝日新書)
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この本は、ベア・スターンズやAIGが救済されて、なぜリーマンが潰れたのか、という一般の目には意味不明な事象について、後付けなりの仮説を提示しているのが素敵。
クレジットデリバティヴに詳しい著者なので、クレジットまわりの記述に非常に風通しのよいものをかんじた。

強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書)強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書)
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そして、それほど強欲なことをせずに投資コンサルタントとしての投資銀行業務をつらぬいてきた著者が見た「自爆」。しかし、自爆が自爆じゃ済まない大迷惑。
ハリウッドは、「サブプライム前にGO!」なんて映画を20年後に作るのだろうか。

ネガポジ

2009-01-31 09:39:29 | 日々のわざ
R0010425なぜか、聞いたこともない医学書の書店より、大手取り次ぎへの注文ファクスがうちのファクスに届く、間違ってますよと医学書書店に電話したら、番号登録してあるファクスだから間違うはずがない、あなたの番号はなにかと詰問される。詰問されると言いたくなくなる。「不愉快です」とまで言われ、閉口する。

いつもは夕方4時頃なのに、たまたま昼前に配達に来た郵便やさんに、「日によってこんなに違うのはどうして?」と聞く。延々と説明しててくれて、あ、これは愚痴なのだと気づく。内容は、数年前、民営化される前にきいたことと、まったく変わっていない。きっとその事態がさらにひどくなったということか。
じゃあ、どうすりゃあよくなるか、と問うても「すべての客を最初に配ることはできない。はじまりがあればおわりがある」と、こりゃ、禅問答だ。
直後自転車ででかけたら、信号待ちで止まっている、郵便さんが携帯で話してる。「ごめん、お客さんに呼び止められちゃってさー」と。うーん、呼び止めたのは事実だが、しゃべり続けたのはあなただぞ。

この手の、コミュニケーションがちょっぴり不全なできごとがいくつか。
なぜかみんなナーバスになっている。自分も、か。


R0010419その一方で、ほっこり心があたたかくなる、話もごろごろ転がっている。

取材で訪ねた気象庁の予報畑の人物は、新人時代の思い出に、先輩から「雪の匂いが分からなくて予報ができるか!」と一喝されたという。
いまは、数値予報なので、パソコンのモニタで予報できてしまうのだ。
彼にしても、インドア予報官の時代にはしりなのだけれど、その前の世代を知っている。

金融系の人と話をして、日本のバンカーの心意気を聞く。
Greedyな資本と、過剰な流動性と、どう戦って行くか。
とりあえず、その人が日々やっていることの中では、「200本」の売りなんて大口が入った場合、どうするか、というローカル限定されたことなのだけれど、そこにもわざと工夫と信念があるのだと知る。

娘がいきなり、パパとママのお腹から出てくるカードを合体させてゲーム機に差し込むと、最強、パパママロボが完成する変な話を語りだす。
おかしすぎ。

さて、これらのどこがネガでどこがポジなのだろうと、考えると、ああなるほど、と単純なことに気づく。
しかし、それはみもふたもないことでもあって、あらためて書くかも知れないけど、ここではやめとこっと。