牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

一人で80頭

2008-07-25 20:27:07 | 雌牛


前述したかも知れないが、繁殖雌牛を一人で80頭管理している話である。
雪深い地方で、国営農場の一角に畜舎を建て、但馬系雌牛を主体に繁殖を始めたのは、15年ほど前のことであった。
40歳男性一人で80頭を管理している。
人工授精の技術が高く、病畜以外はほぼ全頭受胎させている。
一人では、草地を管理するには、かなりのオーパワークになるため、飼料は全て購入に頼っている。
給与作業や授乳作業、人工授精、発情確認作業、分娩のための移動や除糞作業、観察や治療、ワクチン接種、子牛登記や登録申請とその実施作業、大鋸屑や稲わら調達、厩肥の堆肥調整作業や販売と配達、飼料の注文と受領確認、作業機械の始業や終業時の点検整備、精液の注文や受領、その他事務作業等数え上げたらキリがなく、一人ではきりきり舞いの毎日である。
この様な経営状態で、但馬系を管理するのは至難の業であった。
生時の子牛が小さく、20kgを切るのも珍しくない。
そのために、子牛の下痢や肺炎に泣かされていたものである。
そこで、母牛群を数年掛けて、鹿児島産に全頭入れ替えた。
そのことで、生時体重が大きく、育ち易くなった。
下痢や肺炎もワクチンを接種することもあり、かなり改善した。
(つづく)