新型コロナウイルスの影響から海外からの観光旅行者数が激減したり、また工場閉鎖などでの関連業界の輸出入がストップしたため、国内外の産業に大きな打撃を与えている。
今月に入り牛肉の消費減で、枝肉価格は地域によっては破壊的な相場となっており、仕上げ牛を出荷することに恐怖を感じる状況となっている。
素牛価格90万円、枝肉重量500kg、BMS9(5等級)、枝肉単価2,250円、仕切り価格123万円、飼育経費費額750円、肥育日数650日、収支結果は16万円の赤字となる。この結果はまだしも良い方であり、4等級やそれ以下では1,500~1,700円と想像すら出来ない競り値が現実となっている。
この傾向を受けて子牛価格にも影響が出始めた。主産地では5~6万円下げの市況となっている。
オリンピック景気に期待をかけ、上景気を目算していた和牛界に取っては、予期せぬ世界的な感染症の拡散の影響から、内外の観光客による飲食関連が低迷して、関連卸会社にはブロック肉が山積みになっている。
同ウイルスの感染防止策は不可欠であるが、産業維持のために飼料やマルキン事業への支援策が不可欠であろう。見通しとしては、肥育センター等が経営難となれば、素牛価格に直接反映される。
繁殖および肥育生産者においては、努めて経費節減に努め、負の経営からの脱皮を図る必要に迫られている。同時に関係団体等におかれては、国への支援策の具体的な要望が望まれる。