温暖化が牛たちにも影響を与えている。
冷涼な飼育場だとして設置されたが、30年も経てば夏冬関係なく、5~6度は気温が上昇している。
今年も、30度を超す暑さに見舞われ、熱中症に罹る肥育牛も出た。
数百頭が飼育される畜舎では、気温が30度を超せば、室温は35度を超す環境となる。
少々の室内換気が有っても、牛の体温、厩肥熱、メタンやアンモニアガス、屋根や周囲の複写熱などの影響は、いちいち高温を助長している。
畜産用換気扇をフル稼働しても室温は下がることはない。
夏場の牛たちにとっては、かなりのストレスである。
酪農家の場合も、夏場牛がえらがらず餌を食ってくれなければ、目標の乳量は確保できないという。
肥育牛も僅か2年間の肥育期間であるが同様である。
肥育牛は、夏場が勝負である。
夏のストレスは、肝機能の低下にも繋がる。
筆者が関係しているセンターは、幸いにして、夜間の気温が昼間より10度程度下がるために、難を逃れている。
写真の牛たちは、導入後2ヵ月の去勢牛である。
30年前に植樹した欅が、今では最高の陽陰樹となって、子牛たちに冷涼な空間を与えている。