牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

格付け割合

2012-02-20 21:48:28 | 肥育

和牛去勢牛の枝肉単価(kg当たり)の傾向は、5等級2,200円、4等級1,750円、3等級1,400円、2等級1,100円が目安となっている。
従業員を抱えている肥育センターの場合、飼育期間通算1日当たり平均飼育経費は1頭当たり620~650円程度が想定できる。
仮に650日間を要する肥育であれば、40.3万円~42.25万円の経費と素牛代金を加算した額以上の販売額でないと欠損となる。
詳細には、配合飼料の摂取量の大小で個々の牛の採算は異なってくる。
素牛代金が48万円であれば、88.3~90.25万円がベースとなる。
ところが、この金額は最近の枝肉相場からは厳しいベースである。
個々の出荷牛については、枝肉重量の平均を500kgの場合枝肉単価は1,870円、480kgでは1,950円を要する。

一方、年間における経営を安定させるには、枝肉重量と肉質等級の分布割合をペイするレベルに持って行かなくてはならない。
仮に枝肉重量を500kgとした場合、最近の市況から算出すれば、5等級は110万円、4等級87.5万円、3等級70万円、2等級55万円となる。
つまり、現状では5等級だけが黒字に繋がっていることになる。
補填金の51,300円を補足して4等級が何とか+となる。
補填金頼みは計算の外に於いて、肉質等級の格付け割合がペイするには、
例えば
5等級20%、4等級50%、3等級25%、2等級5%で86.0万円
5等級25%、4等級50%、3等級20%、2等級5%で88.0万円
5等級30%、4等級50%、3等級15%、2等級5%で90.0万円
現状では、これ以上の成績でなければ黒字経営には持って行けないことになる。
つまり、和牛肥育の場合、経営を左右するのは5等級率の増減である。
雌牛の場合は、枝肉重量が少ないが、去勢牛と同じ格付けであれば、枝肉単価は約10~15%高く、素牛価格が若干安価であることと飼料の摂取量が少ないことから経費が嵩まず、安定した肥育成績次第では、経営的なうまみがある。
枝肉単価はあくまでも平均値であり、目安である。

猛吹雪

2012-02-02 21:02:48 | 牛の管理

昼前から降り出した雪は、猛吹雪となり3時間も経たぬうちに30cmの積雪となった。
数日間の残雪で辺りはアイスバーン状態であり、その上に集中豪雨並みの猛吹雪のせいで、あっという間に積もった。
風雪が強く、視界が塞がったり、霧に近いような粉雪のために、畜舎の隙間から舎房内にも吹き込み、牛らにも低温の影響が案じられた。
そのため舎内も氷点下となり、ウォーターカップの舌が凍り付いて断水となった。
積雪で車が走行不能になる恐れもあり、早めに帰宅するつもりであったが、熱湯やバーナーを用いて飲水可能な状態に戻し、車上の雪を払い除けて離場した。
近年にない風雪であったが、今夜から明日にかけても同様の積雪の予報である。
明日は、朝から断水が案じられるが、幸いにして山水のために、各畜舎ではドレンから少々垂れ流しが可能で、その対策を取っている。
断水時は、牛らも雪を舐めていた。